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わたなべめぐみ
わたなべめぐみ
novelistID. 54639
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『謝恩会』を書き終えて

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 『ファースト・ノート』を書き終わったあと、ずっと湊人の高校生活を書きたいと思っていました。けれど授業をさぼって音楽室でこっそりピアノを弾いていること以外、何も思い浮かびませんでした。

 あるとき八馬八朔様が『幕間10分(悠里の章)』で信洋と悠里の話を書いてくださり、続きを書く時に「信洋のサポートメンバーで参加した湊人が、悠里とブラックバードで出会ってしまう」という展開を思いつきました。
 
 お人好しの信洋と自分勝手な湊人&要コンビは書いていてとても楽しく、悠里を強引にステージに引っ張り上げるという展開になりました。
 
 『幕間30分(湊人の章)』の最後で「謝恩会」の話を持ち上げると、そこからまた八馬八朔様が物語を引っ張ってくださり、『〜そこまで〜』『〜それから〜』、過去へと遡り、謝恩会編へとつながったのです。

 私も、おそらく八馬八朔さまも当初はこんなに長くなるは思っておらず、先の展開をお互い全く知らず、行き当たりばったりでキャラクターをお借りしながら物語をつないでいきました。
 
 大人の世界で虐げられ、そこから脱却することばかり考えていた湊人の、高校生らしい明るい側面も書けて嬉しかったです。
 それは暗くなりがちな私の物語に、底抜けに明るい八馬八朔様のキャラクターが加わって起きた化学反応でした。
 
 書いていた自分自身も思いもよらぬ湊人の旅立ちにより、この物語は幕を閉じました。もしかしたら悠里たちはまだまだ語り足りないものがあるのかも?と思いますが、そこは未知です。

謝恩会がこんなに迷走し、二年たったいま完結できたのはいろんなきっかけがあります。

この春、息子が小学校を卒業し中学へと進学しました。卒業式のあとクラスで目の当たりにした子供たちと先生のあたたかな関係に胸を打たれ、「卒業すること」「新たな始まり」について考えることになりました。
書くたびに迷走していた本番のセットリストは、この二年に様々な音楽との出会いがあったからこその、あのセットリストでした。

謝恩会で悠里のバンドが披露した音楽には様々な条件がありました。
・高校の卒業にふさわしい曲
・いまどきの高校生がリクエストしそうな曲
・千賀郁哉を舞台にあげ、歌ってもらう必要がある曲
・他の先生たちの扱いはどうするかということ
・そもそも湊人がピアニストとして参加する意味がある曲
・パンクバンドなんだから最後は大暴れしたい
・パンクで卒業生みんなが知ってる曲

悩み出したらきりがないんです。さらにここまで続いてきたお話を締める必要もあり、悩みに悩み抜きました。

その結果、いきものがかりの『YEEL』、キャロル・キングの『You got a friend』、9mm Parabellum Bulletの『talking machine』を演奏させることにしました。(本編には書きませんでしたが「キ・ム・ラ!」「タ・ナ・カ!」先生が『贈る言葉』歌ったという設定です。)

パンクはあえて日本の現在活動中のバンドにしました。二年ぶりにごりごりと書きながらエンドレスで彼らの曲を聞いていて、画面の中で飛び跳ねる若者を見ながら「これだ!」と思いました。
 そこで後付けの設定を加えてみんなにとび跳ねてもらいました。 

 読んでくれる皆さまも一緒になって心躍ってもらえると嬉しいなと思っています。

 最後になりましたが、今まで根気よく読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。

わたなべめぐみ

(私も先日本番があり、猛烈にピアノの練習をしました。湊人には遠く及ばないのですが、弾くたびに他の楽器にはない魅力があるなと思います。そして難しい楽器だなと思います。次の本番にむけて精進したいです)