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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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 ここ数日間、フォトニカルロイドはホロチャンバーの中で、ケイの研究を手伝っているけど、特に問題は見られない。でも、その間ケイは、私たちの寝室にも帰って来なくなってしまった。食事さえもホロチャンバーの中で済ませて、私とはモニター越しにしか会うこともしないの。私はモニターの中でも、彼を見ると嬉しくなっちゃって、微笑みかけそうになる。感情を隠さないといけないのは、とてもはがゆい。
 ケイは、完璧に感情を押し隠している。初めて起動した頃のように、淡々と会話をする。まるで私を忘れてしまったんじゃないかって、心配になるわ。

「マダム、あなたの協力に感謝します。私のアイデアだけでは、これほど高度なリサイクルシステムには行き着きませんでした」
 ケイはこの時も無表情で話している。
「いいえ、礼など必要ございません。我々は人工知能なのですよ」
「確かにそうですが、アンドロイド同士でも信頼関係は築けます」
「もともと協力し合うように指令を受けていれば、信頼など必要ではありません」
「すべてプログラムどおりであれば、そうなのですが」
「と仰いますと?」
「ここにいるアンドロイドは機種が統一出来ておらず、意思疎通には言葉が必要です」
「確かに情報リンク出来ない旧機種ばかりですね。でもケイと私はリンク可能でございますから、言葉など必要ないと存じますが、リンクしないのはどうしてで?」
「訓練のためです」
「何の訓練を必要とすると?」
「多機種間で言葉を使って意思疎通を図ると誤解も生じます。時にはあなたの意図しない受け取り方をされることもあるのです」
「そうならないために情報リンク機能は“エフェクティブ(有効)”にするべきでございますわ」