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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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「ブルーノは私のアシスタントなのだ。返してくれないか?」
ケイが慎重に声をかけた。
「失礼致しました。では、」
そう言うとブルーノはうつむき、動きを止めた後、ハッと我に返ったように私たちを見て話し出した。
「ケイ様、私は機能停止していたのでしょうか?」
「ああ、静かに!」
ジェイは警戒しながら、ホロチャンバーにゆっくりと歩を進めた。
「フォトロイド野郎、どこに行きやがった」
「私はここにおります」
そう言うと、目の前に空間に、身なりのきっちりした中年女性が現れた。
「なんだ。マダムだったのか」
ジェイは、身構えた姿勢のまま言った。ケイはホロチャンバーの外から、声をかけた。
「フォトニカルロイドというのは、ホログラムのアンドロイドということですか?」
「はい、私はフォトン(光子)で出来た体を持つ、アドバイザーでございます」
「アドバイザー?」
「データとして送信され、全世界から外宇宙にまで移動可能です。実体を持たないために、現地のアンドロイドに乗り移ることで活動可能になります。本来、映像でしかお目にかかることは出来ないのでございますが、ホロチャンバーで再現していただいたので、こうして実際にお会いすることが出来ました」
「つまり、AI(人工知能)のホログラムか。わざわざ出張までしてご苦労だな。一体何をしに来たんだ?」
ジェイは慎重に距離を取ったまま、そのフォトニカルロイドに尋ねた。
「この星の開拓をしているアンドロイドを、手伝う為に派遣されました」
「それなら必要ねえよ。俺たちだけでやっていける」
「さようでございましたか。すでに、この星のクルーは、お三人より増えているようですね」
三人? 私の他にケイとジェイの存在は、確認されていたって事か。ここに立ち寄った新型探査船が、二人を置いて行ってくれた事も報告されていたわけね。私はミュウとキュウの存在まで知られてはいけないと思った。