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不老不死ロリの国 第四部分

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「本当に合宿に来ちゃったよ。実にあっという間だったなあ。」
「もえの市長魔力は全知全能だよん。都市からここまでの移動なんて楽勝だよん。そうそう。この合宿でオニイチャンが誰も殺せなかったら、ご褒美にもえの永久A級オモチャになってもらうからねだよん。」
「聞いてないぞ!それにその極度な罰ゲームなんて受けないぞ。」
「オニイチャン、忘れてないよね、市長への大逆罪。罪から救われる『抱いチャンス』なんだよん。」
「そんなチャンス欲しくないような?」
「そんな悠長なことを言ってられないんだよん。合宿で誰かを殺すか、もえのオモチャになって一生幼女のオモチャに昇華する、そのニ択だよ。或いは、もえの魅力に負けて、両方を欲張るという『抱いチャンス』もあるだよん。」
「そのチャンスは『抱いピンチ』に他ならないぞ。」
「オニイチャン、やっぱり『抱いもえ』にこだわってるんだよん。ぽっ。」
「大萌えみたいに言うな!」
「じゃあ、みんな準備はいいかなだよん。」
「「「は~い。」」」
「いい返事だよん。これでみんなが仲間になったみたいでうれしいよん。」
分校のグラウンドに立っている萌絵と三人幼女。いずれも体操着にブルマ。ブルマの色は箱子が茶色、吝奈が金色、木憂華がブルーである。
「ワハハハ。目の保養、眼福だ。それにみんなとやっと仲間になれた。これでブーメランも目立たないぞ。」
「「「そんなことない!」」」
引き続き、身長とブルマの角度は昆太が他を圧倒している。
「では、誰を殺すのか、選択肢決定バトル、略して『ケツバット』開始だよん。」
「どう略したらそんなタイトルになるんだ?」
「さて、ヒトを殺すには打撃、つまり硬いモノで完膚なきまでに叩き潰すのが、いちばんだよん。しかし、相手は生き物だから動く。さらに三人一緒にいて、それぞれの動作や考え方を観察して殺し方の参考とする。それらを勘案して、やるべきゲームは、ドッジボールだよん。」
「ガクッ。」
いちおうわざとらしく頭から倒れた上で、昆太は立ち直って、萌絵にツッコミした。
「ゴムボールじゃ、どう見ても殺傷能力に欠けるだろう。」
「そういうフレーズを出してきたということは、殺す気満々ということだよん。」
「「「じーっ。」」」
三人幼女は蔑んだ視線を昆太に浴びせかける。
「そ、そんなことはないぞ。あくまで言語教育の見地から物申しただけだ。」
「どこにも教育用語は存在しないことはおいといて、ボールはゴムではなく、この鉄球を使うよん。」
四方八方に鋭い針の付いた鉄の玉を手にした萌絵。すでに血が滲んでいる。
「それは危な過ぎるだろう。持ってるだけでケガするじゃないか。」
「大丈夫。このグローブをつけてやるよん。」
ゴワゴワで黒光りする手袋を、4セット地面に並べた萌絵。
「この体操着は防水素材だから鉄球使って流血しても大丈夫だよん。だから安心して顔面直撃させて構わないよん。」
「痛そうでかわいそうで全然安心できないぞ。それに幼女の顔を狙うなんて、俺にはムリだ。」
「じゃあ、胸でもどこでも好きなところを狙うだよん。」
「勝手にするさ。ところで、ドッジボールと言ってるけど、みんながバットを持っているのはどういうワケだ?」
「もえは、ケツバットと言ったよん。鉄球のケツをバットで打ってバットで返す。からだで打つんじゃないんだから、安全だよん。」
「バットで鉄球を打つなんて、もはやドッジボールじゃねえ!」
昆太の苦情は受け付けされることなく、グラウンドではチーム分けがなされた。
二対二。均等に振り分けられた人数で問題ない。しかし両チームの顔面温度差は、甚だしかった。
『チームニコニコ』は箱子と昆太。『チームムスッと』は吝奈と木憂華。
「向こうのチームはなんとなく、機嫌が悪いようだけど気のせいかな?」
「そうだよ、お兄ちゃん。何か悪いものでも拾って食べたんだよ。」
「この組み合わせは、両者の合計パワーを比較してハンデをつけたものだよん。」
「趣旨はわかりますけど、ムカつきまちゅわ。」
「理由はわからないけど、不合理な帰結と思えるぢゃん。」
「魔力供給は済ませてあるよん。じゃあいきなり試合開始。ピーッ。」
萌絵が笛を吹いた。
「あたしがふたりを殺すのはお兄ちゃんの代わりにやるだけだよ。どうやったら殺せるのか、お兄ちゃんよく見ててね。全然全く殺したくなんかないんだけど。じゅるじゅる。」
「あのう、箱子さん。頬筋肉の弛緩がすごくて、涎が銭湯のライオン口みたくなってるのは、見間違いだよね?」
向かい側のコートにいるふたりも同じ形態をとっていて、グラウンドは水浸し状態になっていた。
「吝奈ちゃん、特にウラミはないけど、いやあるから全力でぶっ飛ばすねっ。カーン!」
箱子は片手で鉄球を目の前に投げて、野球ノックの要領でスイングする。文字通りのイタい金属音を響かせて、吝奈めがけて飛んでいく鉄球。
「飛んでくる方向が見えてますから、打ち返すのはカンタンでちゅわ。カキーン。」
吝奈は両手でバットを振ると、鉄球のど真ん中を見事に打ち抜き、箱子に返す。箱子も軽々と片手バットでテニスボールのように跳ね返す。鉄球は木憂華の方に飛んでいく。
木憂華は打ち返そうとしたものの、勢いの増した鉄球に耐えきれず、バットと一緒に吹き飛ばされた。木憂華はそのままコンクリートのフェンスに激突した。『ドーン』という衝突音がした。木憂華の骨折は必至である。
『プシュー、トバババ!』
衝突の直後に、何かが破裂した音が耳に付いた。昆太はそちらに目を向けた。
「なんじゃ、こりゃ!」
巨大アメーバのように、散乱した肉片と血液。あまり日本人好みでないスプラッター映画のクライマックス画像が展開されていた。フェンスには、無数の大きな針が張り付けられていたのである。
『そんなの、聞いてないぢゃん。』という血のダイイングメッセージがフェンスに残されていた。断末魔の瞬間に書いたとすれば、タダでは死なないという木憂華の意地である。「あ~あ。キューリー夫人博士が死んじゃった。この程度で逝っちゃうなんて、ケンカ弱すぎ。」
「そうでちゅわ。たったの一撃でゲームオーバーとか、レベル1にもなりまちぇんわ。このパートナー組み合わせには改めて、苦言を呈しまちゅわ。」
箱子と吝奈のふたりになり(傍観者昆太を除く)、鉄球打ち合いが始まった。ふたりの高いレベルのラリーは止まることなく続いた。
「打ち合いじゃ勝負がつかないでちゅわね。童心に帰りまちぇんか。」
その言葉が昆太の琴線に触れた。
(童心に帰る?見た目ロリだが、内面まではロリに徹していないということの証左か。)
得心した昆太は満足気にニヤリとした。
「お兄ちゃん、ちょっとキモい。エロことでも考えたの?試合中なのに。試合ではリザーブ未満だけど。」
「俺はスーパーさぶだ!」
「お兄ちゃん、そこをひらがなにすると意味深になるよ?」
「そんなさぶは、ほっといて、ワタクチに投げてきなさいでちゅわ。」
さぶを再確認された昆太。さぶってなんのことだろうという深い疑問を追っていた。
箱子は自分でマウンドを作り、吝奈は『バッターボックスをふたつ作るのはもったいないでちゅわ』と言いながら作業していた。ほとんど野球モードにジョブチェンジした勝負。