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ワタリドリ
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novelistID. 54908
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それでも太陽は赤く染まる!第21回「春台風美咲!」

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(ひとし、はずかしそうに・・・。)

ひとし
「(うるさいなあ~。(-_-メ)」

他の周りにいる子達もこらえるように笑っている。後ろの数人の保護者たちの声も・・・。
(先生、そんな事などお構いなしに話を戻してきて・・・。)

先生
「まあ、赤ちゃんの頃はふにゃふにゃで板についとったかも知れんけどな。笑っとる美咲達もそうやて!赤ちゃんの時はみんな骨も柔らかくて歩かれへんかったで板に張り付けられ取ったんや!お母さんに聞いてみ!(^ω^)」

美咲、ぶりっ子になって・・・。

美咲
「ないわ!そんな事、絶対ない!先生だけだよ、そんなの~!(≧◇≦)」

(先生、さらに突っ込んで・・・。)

先生
「本当だて!美咲が忘れとるだけやわ!家に帰って押し入れの中よ~く探してごらん。赤ちゃんの時使ってた背骨ようの板が記念にしまってあるかもしれんで!(^ω^)」

再び教室中の子達がどっと笑い、保護者の方も笑みを浮かべている!

美咲、顔を少しあからめて・・・。

美咲
「ないってば、そんなもん。あったらまじ怖いし!(≧◇≦)」

そこまで来ると、先生もようやく真顔に戻って・・・。

先生
「さあ、もういいからさっさとやりなさい!帰れんぞしゃべってばっかおると!( ̄д ̄)」

教室の空気が自然とおさまりを迎える。先生はよく、こうやって教室の雰囲気を和ませようとする。一番多いのが「先生はまだ若いけどチョークの粉がついて頭が白くなってまったんや!(^ω^)」とかそろばんでも、よくみんなを笑わせてくるのだ!

「いやだ、やだ(≧◇≦)」と怒られて駄々をこねてる美咲を後ろに、ひとしは、いつのまにかもくもくと硯や筆、お徳用100枚入りの習字紙を取り出して、水の液体で墨汁を薄めていた。お手本の赤字は、「春の桜吹雪!」春らしいといえば春らしいとひとりで納得しながら!炭をつけた筆をゆっくりと紙の上に走らせて行く。
それでも、後ろの席の美咲が嫌がらせのようにイスの裏を両足でぶらぶら叩いてくるのはきになったが・・・。
少したって、習字を見せる生徒たちの列がなくなると先生がふいに思い出したように。

先生
「ひとし、それともうひとつこれ大事なお手紙な!きのうおまえそろばん来んかったで、今日も遅れてきて、どうしたのか知らんけど。忘れんうちに渡しとくわ!(・ω・)」

ひとし
「(素直に)はい・・・!(-_-)」

(先生、そう言ってひとしに一枚封筒を渡すと後ろに行きかけて再び振り向くと)

先生
「それから今日は最初から清書でやってな。先生新しい保護者の方達と話しがあって一字ずつ見とれんかもしれんで!まさかこんなに沢山くると思わなんだでな・・・。(^ω^)」

先生が皮肉に笑いながらそのまま後ろの生徒たちに個別に字の書き方を教えに席をはずすやいなや、またいたずら心で美咲が後ろから絡んできた!

美咲
「にわとり、昨日そろばんずる休みしたの!('ω')」

ひとし
「違うよ!ただちょっと気分が乗らなかっただけだよ!体調不良みたいなもんだよ!\(`〇´)/」

美咲
「ずる休みだ~、いけないんだあ~。\(^o^)/」

(ひとし、いちいちうるさいと思いながら、さやかが頭によぎる。こんな時さやかがいたら妹に注意してすぐにだまらせられるのに・・・。なので話題を変えるように習字の手は休めず美咲に・・・。)

ひとし
「そういえば、さやかと一緒じゃないんだ今日は・・・。( ̄д ̄)」

美咲、マイペースに・・・。

美咲
「お姉ちゃん今日、バレエの発表会だから朝からお母さんと栄に行ってるよ。会えなくて残念でした。にわとりお姉ちゃんの事好きだもんね。(≧▽≦)」

ひとし
「聞いただけだよ!やかましいから、美咲も一緒について行って踊ってこりゃよかったのに!(`〇´)」

美咲
「美咲は発表会まだだいぶ先だもん!ついて行こうかと思ったけど、昨日夕方まで一緒にバレエ教室のリハーサルに付き合って疲れちゃったもん。だから昨日そろばんきてもお姉ちゃん誘拐できなかったから、にわとりずる休みしてよかったねって!」

ひとし
「なんで僕が誘拐なんかするんだよ!好きとか勝手に決めつけて!面白がるなよ!(`〇´)」

美咲、からかうように・・・。

美咲
「なんで~。だってこの間、お姉ちゃん連れまわして誘拐しようとしてたじゃん!美咲も一緒に!\(^o^)/」

ひとし
「勝手についてきたんだろ!面白がって!僕は買い物行って家帰るだけだったのに、どこからきたかわからんとか途中で言い出してふざけて結局自分らで帰ってったんじゃんか!\(`〇´)/」

美咲、ひとしの言葉なんかまるで無視して後ろで字を書いてる少女に・・・。

美咲
「この人、こないだお姉ちゃん誘拐したんだよ!好きだからって家まで連れまわして!( ̄▽ ̄)」

話しかけられた少女はうっすらとひにくわらいを浮かべている。

ひとし
「だからしてないって!えっ!(゜o゜)」

いつのまにか、ひとしの横に眼鏡の小柄な少年が書いてる字を冷めて視線で眺めていた。

(ひとし、少し、たじたじして・・・。)

ひとし
「な、何かな!Σ(;^ω^)」

(美咲、それに気づいて、すでに知り合いらしく・・・。)

美咲
「その子、あんましゃべんないよ!美咲と同じ町内に引っ越してきたばかりだから。同じクラスだけど!なんか学校嫌いで来れないみたい!('ω')」

ひとし
「不登校なの!じゃ習字には来るんだこれから!(-_-)」

美咲、得意なおしゃべりで両足のぶらぶらはやめずに筆を硯に浸して・・・。

美咲
「まだ、入るか分かんないし、この子のお母さんも来てたけどすぐに帰っちゃった・・・!美咲のお母さんと同じ仕事場のパートだからどこか良い塾紹介してって!お母さんここ教えたの!離婚してお父さんいないから忙しいんだって!あと中一のお兄ちゃんがいるみたいだけどお父さんと近くに住んでるみたい。お姉ちゃんと同じ学校だって!(^_^)」

ひとし、ぺらぺらとおしゃべりな美咲の話しと横にいる眼鏡の子の視線の交互でどこかやりにくそうに筆を動かしながら!

ひとし
「昨日始業式だったけど、会ってないなあ~。その前に名前知らないし!離婚してるなら苗字違うよね!( ̄д ̄)」

美咲
「わっかんない!けど、にわとりみたいな不細工なんかよりかっこよかったらたぶん、お姉ちゃんとられちゃうかもね!\(^o^)/」

ひとし
「なんかよりってなんだよいちいち!!\(`〇´)/かっこよくたって性格悪かったら意味ないだろ!てか、その前にさやかって梶谷ってやつが好きなんでしょ!同じ近所ついでに聞くけど、って言っても美咲は知らないか、そんな人!( ̄д ̄)」

咲、わりとすぐ、すんなりと・・・。

美咲
「知ってるよ。同じマンションだもん!髪の毛茶色に染めてる人でしょ!(#^^#)」

(ひとし、ああ染めてたね、ヤンキーみたいに凶暴だったし!(-_-))

美咲
「なんでいきなり梶谷君の話しが出てくるの!(・ω・)」

ひとし、どこか皮肉まじりな声で・・・。

ひとし