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ワタリドリ
ワタリドリ
novelistID. 54908
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それでも太陽は赤く染まる!第21回「春台風美咲!」

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トラウマの事故現場から逃げるように走ってきたひとしはある程度の場所まできて再び自転車にまたがりペダルを手あたり次第漕ぎまくった。どこをどうきたのかそれでもいつのまにか通っている書道教室の前にたどり着いた。

外の見慣れた塾の看板の荒川塾教室と書かれた太い文字をみてひとしは安心感を覚える。
心臓はばくばくで少し冷静になってひとしは自分の手や足が小刻みに震えているのに初めて気づいた。死ぬものぐるいで走ってきたせいか他事を気にしている暇や感覚がほとんどなかったのだ。

塾の入り口の室内にみえる掛け時計がもう11時10分を過ぎていた。完全に遅刻だ。ひとしはため息をつくように眉間にしわを寄せる。

ひとし
「どうしようかなあ~!((+_+))」

さやかに会うのは少し抵抗があったが、今はそれより、さっきまで追いつめられるようにびびらされた3年の梶谷先輩の怒っていた顔や暴言の方が生々しく脳裏に焼き付いていて勝っていた。

ひとしは決心してその記憶を無視してでもかき消そうと呼吸を整えふらつくように手前の自転車置き場に入ろうとした。が、

今日はやけに子供よりも大人の自転車の方が多くて、ひとしの自転車はほぼ定員オーバーで自転車の後ろタイヤが半分の道路に、はみ出し駐車になってしまった。

ひとし、「仕方ないか!」と心でつぶやきながら前かごからカバンをとるとかごがちょっとぐらぐらでへこんでいるのがわかった。

ひとし
「仕方ないや!((+_+))」と再び魂を吐き捨てるような勢いのため息をはきながら塾の入り口のガラス扉を開き入っていった。

教室の前の廊下では、見た事もないたくさんの大人たちがにぎやかにざわついていた。男の人もいたけど、お母さんらしき女の人ばかりだ。知らない子供も数人いる。たぶん新入生歓迎とかで授業の様子をみにきた保護者の方達だなと、外の沢山の自転車の数にも納得して、ひとしはぺこぺこ「すみません!」と道をかきわけて通してもらいながら進んで行く。

教室に入ると席はすでに小さな子でいっぱいで、5列目の一番前のはししか空いていなかった。先生のすぐ横で気が散ってあまり座る気にはなれなかったがもう仕方がない!
ひとしはおそるおそる机に向かう!

と言っても、荒川先生は別に僕が入ってきたことなど気にもとめていない様子で四角い眼鏡を天井の蛍光灯に反射させながら習字を書いてきた生徒たちの字をみて「ここはもう少ししっかりと抑えて書こうな!」等、だみ声でいつも通りマイペースで相手にしていた。

その方が楽だとほっとして机にかばんを置いて安堵感を感じていたひとしだったが、いきなり「あ~、にわとりが来た!」と甲高い声にハッとさせられる。

保護者よりもこの教室でしゃべっている子よりもだれよりも大きい声だ!耳が痛い!よりによって後ろの席が美咲だなんて!(>_<)

美咲はさやかの妹で今年小学校3年になる。女の子にしちゃ破天荒でしょっちゅう走りまわっておしゃべりでそろばん塾の時はよく先生から注意を受けている生徒だ。しかもぶりっこだ。ひとしにもよくちょっかいを出してくる。おっとりとしたさやかと違ってどちらかといえばひとしには苦手なタイプだ。
(服部なのに、だじゃれにかけて、にわとりとか!(-_-))

それに今日はさっきまで歯医者やら、先輩やらでいろいろとハプニングがありすぎて頭の中の思考が追い付かず静かにしてほしい気分だったのに、そうはさせてくれなかった。((+_+))

美咲はにやにやして座って、足をぶらぶらしている。真面目に字を書いている様子にはとても見えない!唯一のチャームポイントと言えば、ビー玉のように大きな澄んだ黒い瞳ぐらいだ。ロングな髪のさやかとは対象にヤンチャッぽい肩までのショート髪にかけズボンがひとしには、良く似合ってみえる。何を考えているのかわからないからたちが悪い!


はあ~っと軽蔑な視線を向けながらため息をもらすひとし!
でも、教室内を見渡してさやかの姿が見えなかったのはやはり、少しほっとした。
(ひとし、でもひょっとしたら、彼氏である梶谷先輩のハンドボールの試合の応援に行ってるのかもしれない!)

また暗い思考に考えがむき出したのを察知してひとしは頭から追い出すように首をふると美咲にあたるようにそれでも後ろの廊下にいる保護者の人達も意識し過ぎてか小声で・・・。

ひとし
「なんで美咲が後ろなんだよ!もっとさがれよ!僕が前に座れないだろ!」

美咲、いたずらっぽく・・・。

美咲
「だってこれ以上、さがれないもん!遅刻してきたにわとりが悪い!身体ねじればはいれるよ!こんなふうに!」

美咲は面白がって身体をくねらせてみる!

ひとし
「それでもさがんなきゃ座れないよ!美咲とちがって身体大きいし、これだとトイレットペーパーが入る隙間しかないじゃんか!」

美咲
「( ̄∇ ̄;)ハハハ・・・。トイレットペーパーって・・・。じゃ、にわとりがトイレットペーパーになればいいじゃん。ていうかトイレで書いてくれば!コケコッコーって変身して・・・。てか、にわとり後ろ寝ぐせたってるよ。トサカみたいに!今ならすぐ変身できるかも!!(^^)!」

(ひとし、むきになって・・・。)

ひとし
「なれるかそんなの!朝なおす時間がなかっただけだよ!しかもにわとりじゃないし!鳥の羽で筆が持てるかっての!\(`〇´)/」

(からかう美咲!)

美咲
「口でくわえて書けばいいじゃん!( ̄▽ ̄)」

(疲れていらだつひとし!)

ひとし
「くたびれて、あご外れるわ!(#`〇´)」

そこにようやく先生がひとしの存在に気づいて・・・。

先生
「ひとし!遅れてきて喋ってないで!お手本の紙取りに来て!美咲もふざけとらんと少し後ろにさがりなさい!( ̄д ̄)」

生徒たちの習字をみながらもまわりの様子はいつも目を通してみてるのはさすが先生で70才まじかな風格がある。

美咲は、「は~い!」と口を膨らませて、しぶしぶ窮屈そうにわずかにうしろにさがったが、それでもぎりぎりで、ひとしはお手本を手に不満そうな顔で仕方なしにそろそろと机の間の隙間に身体を通すように座る。

だがいきなり・・・。ガシャーン!

背中にふいに痛みがはしり

ひとし
「痛あああ~~~!Σ(☆Д☆)」

情けない悲鳴が教室中に響いた!

美咲がふざけて再び机を前にひきだしたのだ。しかも靴うらもあわせて、背中とおしりのダブルであたっている!

美咲
「きゃははは!( ̄▽ ̄)」

先生
「美咲!いいかげんにしなさい!(#⊳Д⊲)」
笑いをこらえるように黙り込む美咲。すると、先生が怒るかと思いきや急に顔をほころばせて・・・。

先生
「かまぼこじゃないんだから!( ̄д ̄)」

何を言い出すのか!とひとし

ひとし(はい?(-_-))

笑みをこぼす美咲

美咲(えっ?(゚∀゚))

先生
「かまぼこは作る時、身がくずれんように木の板の上に張り付けて焼くやろ!別にひとしはちゃんと骨や筋肉があるんだから、わざわざ後ろから板挟みにせんでもくずれる心配なんかないんやで!(^ω^)」

美咲
「(≧▽≦)キャハハ・・・。にわとり丸焼きになっちゃう!から揚げチキンだよ。コケコッコー!」