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暁の獅子 黄昏の乙女

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 何はともあれ、シルヴィーの真の目的を果たす為には、レオニード王の花嫁候補として最終選考に残らなければならない。
 招待状として送られてきた手紙には、都に入ってから予選・本選に至るまでの手続きや、最終選考までに行われる選考会について詳しく書かれていた。
 まずは都に入り街中に宿を取ってから、招待状を持参で城へ赴き到着した旨を伝えなければならない。
 選考会参加への手続きが済んだら、選考会開始前日に開かれる夜会に参加し、知識、教養、社交術で篩に掛けられ、最終選考で王自らとダンスをして、王自身が最終選考に残った姫の中から選ぶ、という手順になっている。
 シルヴィーの目的を果たす為には、最終選考会まで残らなければならない。
 尤も、シルヴィーも城生まれの城育ち。
 おまけに、年齢の割には博識と秘かに囁かれてきたシルヴィーにとっては、『王妃』としての知識や教養、社交術にはある程度自信がある。
 悪目立ちして反感を買ったりしない限り、最終選考までは残れる自信があった。
 問題は、目的を果たす為の障害になり得る可能性を消しておかねばならない事だ。
 その為に、途中の宿に着く度にある物を作り続けてきた。
 それは今朝方完成している。

「さぁ、そろそろ出ましょう。遅くなってしまっては期日に間に合わなかったと処理されてしまうわ。そんな事になったら苦労してここまで辿り着いた意味がなくなるわ」

 シルヴィーの促しに、エレンははっとして慌てて馬車の中に戻った。

「シルヴィー様」

 リオンの声は重い物を含んでいる。
 意図を察したシルヴィーは、じっとリオンの顔を見つめた。
 その視線に籠められた意思を紛う事なくリオンに伝える為に。

「…………」

 シルヴィーの意思が翻る事は決してないのだと察したリオンは、重い溜息を無理に飲み込んで御者台に上がった。
 主人の意思を覆してくれる何かが起こる事を祈るしかなくなったリオンは、こうなったらせめて主人が自分に望む事は何にでも応えようと思い定めて馬を走らせる為の鞭を振るった。


作品名:暁の獅子 黄昏の乙女 作家名:亜梨沙