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ハウチワカエデ
はじめてこの公園に来たとき
うれしそうに眺めていたカエデ園
ちがう種類の色づいた落ち葉を拾う君
わがれが来るなんて思っても見なかった頃
かたちが分かる絵と名前の案内板で確かめて
えんぴつで名前を書いて手帳に挟んでいたっけ
でも区別がつかないものも多くて止めてしまった
はるか昔を思い出しながら
うちわの形のカエデを見上げる
ちがう連れと歩きながらも思い出す
わすれられない言葉「天狗のうちわだ」
かたちが少し似ているけど違うよと言ったら
えみを浮かべながら「女天狗はこれかもよ」
でも大きい胸の天狗を想像して笑ってしまった
はじまったばかりのカエデ園だったが
うちわで煽いでカエデ園全体を色づかせる
ちあガールのようなものかなと思ってみたら
わらい声が聞こえたような気がした 昔の君の
かたわらの連れは写真を撮るのに忙しそうなので
えにしと時の流れと連れを感じながら写真を撮った
でも身体は戻れないが思いというものは過去に戻れる