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サクラ・ストラトス



私達は大気圏を離脱して、惑星「カニメシ」へ向かっている。


「キャプテン・トリン」
「いつまでマルさんと遊んでいるんですか?」

「うっさいわねえ・・・」
「トリンはマルさんのものなのよ!」
「シスター・シャムロッドに、キャプテン代行させてあるから」
「あの娘に、全部頼みなさい」

「・・・シスター・サクラが・・・」

「何よ、サクラが何かしたの?」

「このシップを改造してます・・・」

「!」

「あわわわわ」

・・・・・・・

「シスター・サクラ!」

「あなたは何をやっているのですか?」

「・・・・・・」

このオカッパ頭の少女は、作業ツナギを着て・・・?
何この子、化石時代の生地のツナギを着てる。
工具セットを置いて、パネルを外した穴に潜ってるけど。

「サクラ!このシップを壊さないで頂戴!」

「・・・・・・」


あ、私の頭脳サーキットにメールが来たわ。

・・・・・・・

【愛するトリンさまへ】

【はーい!お元気してますか~?サクラちゃんで~ス♡】

【余計なお世話サマーかと思いますけんど】

【シグマ駆動炉の起動時間短縮回路ちゃんと・・・】

【素粒子魚雷のチャージ時間短縮回路ちゃんを組んどいたから】

【トリンさまのコンバットライフに役立ててね?・・てへっ♡】

【サクラちゃんより♡】

・・・・・・

「シスター・サクラ!」

「言いたいことがあるなら、口頭音声で言いなさい!!」

「・・・・・・」

この子の凄さがまた分かったわ・・・

「キャプテン・トリン」

「未確認の回路基板が、2つありますが・・・・」
「こんなものは、現在のメカトロニクスではありませんよ?」
「未来テクノロジーです・・・」
「これはいったい・・・・」

「ごめんなさい、ポセイドン」
「全部シスター・サクラのしわざです」
「無理やり認証させて下さい」

「了解しました」

「・・・・・」

ゴソゴソゴソ・・・

あ、サクラが出てきた。
うわっ顔がマックロ!

「わかったわよサクラ。あなたはメカニックマンなのね?」

無言でうなずいたわこの子・・・
ダボダボの作業ツナギが可愛すぎる。
反則の帝王ね、この少女は・・・

ビィィィィィ!

・・・・・・

「どーしたの?シャムロッド」

「おねーさまあ!」
「あたしじゃあんなものは相手できませんよぅ!」

「え?」

「キャプテン・トリン」
「不審船が、側面至近距離に居ます」
「レーダー反応も目視も出来ません」

「え?」

「今になるまで気が付きませんでした」

「ランデブーしてるの?」

「不審船の側部魚雷発射管が開きました」

「何やってんのよ!」
「側部光子ビーム砲、全砲門速射あ!」

ビットッ・・・

「うわああああ」

「不審船の爆発に巻き込まれてます」

「隔壁閉鎖して!」

「了解」

「シスター・サクラに応急修理を頼んで下さい」

「了解しました、キャプテン・トリン」

・・・・・・

「サクラちゃんが来たから。もうこのシップは大丈夫ね」

・・・・・・

「ポセイドン」

「はい、キャプテン・トリン」

「シグマ駆動炉でジャンプします」
「シスター・サクラが付けた回路が不安ですが・・・」
「すぐに起動して下さい、全クルーに伝達して」

「起動完了しました、コイルも接続完了」
「今すぐジャンプできますが?」

「あわわわわ」
「ちょっと待って!みんながエアベルト固定させるまで待って!」

・・・・・・・

なんて娘なの、あのオカッパ少女は?
シスター・サクラの過去が知りたくなったわ。

・・・・・・・

作品名:コードLP 作家名:新村正幸