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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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春はまだ先 探偵奇談14

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最後の矢を放つと同時に拍手が起き、伊吹は看的板を見た。皆中。他の三名が初矢を外していたので、伊吹の勝利だった。

「いやー、やられたわ」
「春にリベンジすっから」
「つーか沓高の応援団、迫力ありすぎじゃね?特にあの副将」
「…すんません」
「とにかく今日はお疲れ」

射場を出たところで、主将同士が握手を交わす。互いを労い、春の再会を誓った。

「主将~!」
「伊吹~!」

弓道場を出たところで部員らが駆け寄ってくる。

「かっこよかったす!」
「俺泣けたー!」
「感動したー!」
「泣くなよ…でもありがとう」
「バカな男どもはほっといて掃除と片付けいくよー」
「はーい」

葉山が女子を率いて行く。どの部員も、なんとなく清々しい表情をしていて、試合に手ごたえや満足を感じているのがわかった。伊吹はホッとする。モップを片手にしている郁も、にこやかに笑っている。よかった、試合の目的は達成できたのではないか。



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