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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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Future Scope

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 サラはレンズから目を離すと、しばらく何も言えなかったが、ようやく口を開いた。
「とても不思議なものを見たわ。あれは何だったのかしら……」

 彼女はその装置が入っていた袋の中をもう一度見ると、1枚の紙を見つけた。
「あ、紙がある」
 それには、こんなことが書かれていた。
「これは『Future Scope』と言って、レンズをのぞくとあなたの未来のお姿が見える装置です」
「『あなたの未来のお姿が見える装置』ですって!?」
 サラは、その続きを読んだ。
「あなたの未来のお姿を信じるか信じないか、それはあなたのご判断にお任せします」
 読み終わると、彼女は困ったように笑った。

 そして再びその装置のレンズをのぞくと、自分の顔見知りの人々…に似た人を含む大勢の男女が、立食形式でさまざまな料理をおいしそうに食べている様子が見えた。彼らの後方には、先ほど見えた2人の日本人女性と、ピッパのそっくりさん、そしてサラ自身のそっくりさんがほほ笑みを浮かべて立っている様子が見えた。
(この中の1人は、私なのね…)
 サラは、かすかな笑みを浮かべた。


 映像を見ていると、まもなく1歳半になる愛息スティーブンの寝起きの声が奥から聞こえた。現実に戻されたサラは、息子のもとへ向かった。


                          A HAPPY NEW YEAR!!
作品名:Future Scope 作家名:藍城 舞美