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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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「おおっ、剣には鞘が無ければダメだよな。おー、カッチョエー鞘だ。よし、鞘に入れて腰にぶら下げるか?でも少し俺の背丈には長いな、背中に背負うか?」
ミレルが抜け目無く金貨の山から下りてきたスカイの腰の剣を見て言った。
「ですが、「黒炎刻」は報酬の中に含めるわけにはいけません、物物交換をしましょう。あなたが今、腰に付けている名剣「覇者の腕」と交換すると言うことで、どうでしょうか」
スカイは言った。
「ああ、構わないよ、こんな剣より、この黒い刀身の剣の方が良いや。金色の良くワカラン模様が超格好イイ」
 スカイは腰の剣「覇者の腕」のベルトを外して剣をミレルに渡した。そして「黒炎刻」を腰に、いそいそと巻き付けた。
 スカイは言った。
「良い感じだ」
 スカイは満足して頷いた。
 満面に笑みがこぼれた。
おお、何て良い剣なんだ。持つだけでワクワクするぜ。
 マグギャランは腕を組んだままスカイに言った。
「確かにスカイ、「黒炎刻」は、超有名な剣ではあるが、呪われた魔剣だ。格は落ちるかも知れないが、暗黒星のダンジョンで手に入れた「覇者の腕」の方が良い剣だぞスカイ。「覇者の腕」は持ち主を必ず一国一城の主にするという伝説を持つ超男を上げるアゲマンの剣だ。スカイ、お前も男なら貴族か諸侯か末は王様かを狙うぐらいの甲斐性を「覇者の腕」と一緒に見せてみろ。かっての「覇者の腕」の持ち主達と同じように」
 スカイは「黒炎刻」を、ぶら下げた腰をツイストさせながら言った。
「嫌だよ、この黒い刃の剣が無茶苦茶気に入って居るんだよ。おー良い感じだ」

シュドが無踏荒野と混沌の大地の境まで来ると言った。
「スカイ、我々は、混沌の大地のラガシミ河を伝ってコモンを目指す。オマエ達は、どうする?」
シュドが木で出来た立て札をコツコツと叩いていた。。
ここから先は無踏荒野でなくなり、混沌の大地というタビヲン王国に数年前に併合された場所になる。なぜ、混沌の大地と言われるかと言えば、奇怪な植物や奇怪な土地が在り、奇怪な怪物達と一緒に奇怪な文化を持った原住民達が住んでいるため、人が住むには余り適さない場所だったのだ。だが、スカイ達が来るときに通ってきた、新しく作られたらしい道、ナラシダ街道には概ね、怪現象が生じにくかった。それでも霧が立ちこめると海の潮の匂いが漂い始めるなど奇怪な現象には事欠かなかったし。混沌の大地には鮪や鰹が捕れる湖が在って原住民が河で鮪を釣り上げているの見たりもした。根っこで歩き回る木が在ったりもした。コモンでは、ちょっと見られない不可思議な光景がタビヲンの日常のようであった。
 スカイはマグギャランに言った。
「俺達は陸路からイネンシ王国を抜けて沿海岸州連合王国からツルッペリン街道を目指して行く。そして俺達のホームタウンのミドルン王国のニーコ街に行くんだ。問題ないよな?マグギャラン」
 マグギャランは頷いた。
「問題ない」
スカイの姉のコロンは魔法の呪文を呪文書に書き込んでいた。コロンは白紙の呪文書を埋めるために冒険屋を、やっていたのだ。
 コロンは集中すると他の事が判らなくなる特技を持っていた。
 スカイはウキウキ、ワクワクしていた。
スカイはマグギャランを小突いた。
マグギャランもニヤニヤしている。
マグギャランもスカイを小突き返した。
 やっぱり掴んだモノは途方もない桁外れの大金に換金出来る、お宝だった。これで浮かれなかったら人間じゃなかった。
 シュドが言った。
「そうか、気を付けろよスカイ、マグギャラン、コロン。冒険屋はな、儲けた金を自分の銀行口座に入れるまでは冒険の最中なんだ。五十男の冒険屋の忠告と思って聞いてくれ」
スカイは左手を腰に手を当て右腕を振り回して言った。
「何言っているんだよシュド。俺は七歳から大人相手に冒険屋張っているスカイ・ザ・ワイドハート様だぜ。そんなヘマなんかするかよ。これでオレもアンタみたいなセレブの仲間入りだ。冒険家スカイ・ザ・ワイドハートの名前がコモン全域に広がる訳だ。有名人になって大金が手に入る。文句無しだ。そうだろう?マグギャラン」
マグギャランは笑みを浮かべて言った。
 「そうだ。このドラゴンのダンジョンを制覇した勇敢なる騎士の中の騎士、男子の中の男子である英雄マグギャラーンが、我等が財宝に群がる、むくつけきタビヲン男子共を切っては切り捨てて、切っては切り捨ててくれるわ」
 マグギャランが暗黒星のダンジョンで手に入れた聖剣「斬魔剣パラデイン」を抜いて太陽にかざした。太陽光を浴びて銀色の刀身は太陽光を反射した。
 スカイは言った。
 「ノリノリじゃん」
スカイは笑いながらマグギャランの脇を肘でこづいた。
 マグギャランは言った。
 「おれ、ノリノリ。伝説の破邪の聖剣「斬魔剣パラデイン」を手に入れたし、もう恐い物無しだな」
 マグギャランはニヤニヤしながら「斬魔剣」を鞘に収めた。
スカイとマグギャランは右手と右手をバシンと合わせて打って、拳骨と拳骨をぶつけた。
 シュドは言った。
 「まあ、一応言って置いたからな」
 シュドは溜息を付いて丸いサングラスを直した。

 スカイはマグギャランに言った。
「やっぱり、俺が三十三・四パーセントだよ」
 マグギャランは言った。
 「いや、三十三・四パーセントの働きをしたの俺の方だな」
スカイ達は、混沌の大地の原住民から買った毛足の長いラバに宝箱を乗せて運んでいた。
 無踏荒野から混沌の大地を抜けて、タビヲン王国に入ってから、宿屋に泊まりながら一週間歩きづくめの旅を続けていた。
 スカイは後ろを振り返って言った。
「コロン姉ちゃんは,大して仕事は、していなかったな」
コロンは一心不乱に歩きながら呪文書に魔法の呪文を書き込み続けている。
 マグギャランも後ろを振り返って言った。
 「そうだな確かに、コロンは大して働いては居なかった」
 スカイは言った。
 「俺が五十%で、お前が二十五%でコロン姉ちゃんが二十五%でどうだ」
 確かに、コロン姉ちゃんは魔法を使ってはいたが、やはり、罠を探した事が、あのダンジョンをクリアーした最大の要因だろう。と言うことは、やっぱり俺が五十%だな。
 スカイは一人頷いていた。
 マグギャランは言った。
「何を寝ぼけた事を言っているスカイ。この勇敢なる英雄騎士マグギャランが居なければ、ドラゴンのダンジョンはクリアーは出来なかったのだぞ。俺が五十%でスカイとコロンで二十五%ずつを分けるべきだ。オマエ達姉弟は未成年者なんだ。若い、うちから欲をかくな。教育上良くないぞ。半人前という事で俺の半分の4分の1ずつだ。これが正しい勘定の、しかただ」
 スカイは言った。
「だから、前提が違うんだよ。俺はスカウト能力と、戦士の能力の2つを持っているから二人分の働きをしている。だから、スカウト、戦士、騎士、魔法使いの4つの能力で報酬を四当分して、スカウトと戦士の俺は四分の二に当たる五十%を受け取ることが出来るんだよ」
そうだ。コレが正しい報酬の分け方だよな。スカイは一人頷いていた。