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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「かぐや姫」 第九話

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「任せてください。私の身体に仕組まれたテレパシーを医師に感じさせれば、瞬時に事態を理解することが出来ます。先生を呼んできてください」

担当の医師と看護士がやって来た。
驚くこともなく、脈をとると、大丈夫なので退院しましょう、と言ったのだ。
玄関先でお礼を言って、車に乗り込み発車したあと振り返ると、その医師と看護士は崩れるように床に倒れた。

「かぐや、何をしたんだ。二人とも倒れたみたいだぞ!」

「大丈夫よ。脳に強い刺激を与えていたから、解放したショックで意識をちょっとだけ失ったみたい」

「何ということ・・・人間じゃないな」

「お父さん、いうに事欠いて、人間じゃないだなんて酷い!」

美加がそう怒った。

「すまん。いい過ぎた。それにしても今後のことが心配だ。お前は国王の娘だということだったな。仲間に連絡をとっても、確か地球からは三光年離れていると聞いたぞ。すぐにはここに来れないのでないのか?」

「よく覚えておいてくれましたね。我々の惑星では今、反乱軍が制圧しているのですが、政府軍の兵士たちがいくつかの惑星に分かれて身を隠しています。きっと新しい移動システムを開発して、間もなく地球に現れることでしょう」

「かぐやが国王の娘だということで、政府軍の兵士たちをまとめると言うのか?」

「その通りです。それが父の遺言でした。母も同じ思いだったでしょう」

「お母さんも兵士だったのか?」

「そのようです。惑星かぐやでは男女の差別はありません。兵士を希望すればだれでもなれます。父は平和な惑星を維持するため、大量破壊兵器を開発させませんでした。しかし、一部の悪だくみをする者たちに廃棄するはずだった設計図を盗まれ、重力兵器を完成にまで持って行かれたのです。それは、宇宙空間に大きな重力場を作り出し、その中へ敵の艦船や衛星、敷いては惑星までも呑み込ませるという恐ろしい兵器です」

「小さなブラックホールみたいなものだな」

「そうですね。仕組みは違いますけど。その兵器を持っているため、いまだに政府軍は惑星かぐやを攻撃できずにいるのです」

「近づいたら、その新兵器で攻撃されるという恐怖があるんだな」

「はい、われわれが立ち向かうにはいくつかのハードルを越えなければなりませんが、必ずや父の遺志を叶えたいと思っています」

散らばっていた政府軍の兵士たちが集合したのは一月ほど後の事だった。