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てっしゅう
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「かぐや姫」 第九話

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「祐一さん、目を覚ましてください」

「うん、かぐや!目が覚めたのか!良かった」

そこに立っていたかぐやは昨日までの姿とは別人に見えた。
目を何度も擦ってボクは今一度見た。

「お話することがあります。美加さんはどちらですか?」

「おまえ、言い方が変だぞ。お母さんだろう?」

「私は惑星かぐやの王妃〇×△※◇です。父と母が地球へ避難させてくれたおかげで、こうして祐一さんと美加さんの子供として成長しました。とても感謝しています。ありがとうございました」

「訳のわからないことを言うなよ。お前はかぐやだろう?そう言ってくれ」

「ではかぐやと呼んでください。お母さんが来たらこれからのことをお話します」

美加と翔が宿泊先からやってきて、前に立つ。

「かぐや、気が付いたのね。良かった」

美加が抱きしめようとするのを制した。

「お母さん、話をさせてください。とても重要なことです」

「どうしたの?かぐやは・・・それに昨日までとは別人に見える」

バイオメモリーが体内に取り込まれる間、眠るようにしていたが、すべての情報が書き写されて、身体は覚醒した。肉体的には二十歳ぐらいに変わっていた。胸も大きく、くびれたウェストと、昨日まで疑問に感じていた下半身も今は大人のそれに変わっている。

「二日前に月を観測した時に身体に異常を感じました。そして、生まれたときに特殊な技術で体内に今の私に変われるように情報が隠されていました。首の傷はその証です。
どうやら両親はこの世界で二十歳になったら作動するようにメモリーをセットしたようですが、月を観測した時に何か異常が出たのでしょう、バイオメモリーは作動してしまいました。
なので、肉体の成長ホルモンを大量に必要として二日ほど寝かされていました」

「そのホルモンで一気に二十歳まで成長したと言うのか?」

「はい、その通りです」

「ボクには信じられないが、目の前のかぐやを見ていると、信じるしかないようだ。美加も翔もそういうことだ」

「お姉ちゃん・・・じゃないよ」

翔はそう言った。

「翔くん、お姉ちゃんだよ。でも昨日までとは違うだけ。ではお話します。
納屋に置いてある私が入れられていたカプセルには月面にある両親が残した発信装置をパワーアップする機能があります。それを起動させて、私が成人したことを父の部下である政府軍のメンバーに伝えないといけません。すぐにここから引き揚げましょう」

「帰ると言っても、まずは医師に診断してもらってからでないと退院できないぞ。こんな状況を見せるわけにはゆかない。困ったことだ」