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てっしゅう
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「空蝉の恋」 第三十三話

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「私には解るんです。父がおば様を好きだって言うこと。結婚とかすぐにということではなく、父とお付き合いして欲しいなあ~って」

「たった今、歳の差なんて気にすることはおかしいと言ったけれど、さすがに15歳の差は私には大きいのよ。優華ちゃんのこと娘のようには感じられるけどね」

「嬉しいです。おば様じゃなくて、お母さんと呼べることを願っています」

「優華ちゃん、たとえお父様と今のままでも私の事お母さんと思って何でも話してくれていいのよ。わかることなら何でも相談に乗りたいって思っているわよ」

「はい、そうします。父は今日一緒に行きたいと言いましたが、私がダメって言いました。理由は、おば様が困るって思えたからです。なので、この次は洋子さんと四人で行けるといいねと話しておきました」

「あらまあ~そんなこと言って。優華ちゃんが言うならなんでも聞いてくれそうな感じなのね。お父様は誰よりも愛しているって感じるわ」

「それは感じています。私に恩返しができるとしたら、それは・・・いつまでも母の思いを引きずるのではなく、新しく人生を築いて欲しいと願うことです」

「そうね、素晴らしいと思うわよ」

「おば様だって同じでしょ?離婚されたのですから」

「お父様とは少し違うと思うけど、自分の幸せも考えないとね。それは直ぐに再婚というのではなく、自分に合った人生の選択が見つかった時に決心したいと思うの」

「他に好きな人がいるのですか?もしかして」

「何を言うの。離婚したばかりなのよ。誰かを好きになったから離婚になった訳じゃないのよ」

「そうですよね。ゴメンなさい。言い過ぎました」

「私のことより優華ちゃんのこと考えないとね。大人になってからではなく、好きな人を見つけて女としての喜びを感じられるといいわね」

「女としての喜びですか?それって・・・」

「自分が輝いているという実感よ。好きな人がいて、好きになってくれる人が傍にいるということ。その人のために何かしたいと考えている時が幸せって思えるの」

「ええ、この頃の洋子さんを見ていて同じように思います。恋愛か・・・私って本当は甘えん坊かもしれないので、年上の男性が良いと思うんです。そうなると出会いが無いと感じるんですよね~」

「そうね、高校生だと年上の人と知り合うきっかけはアルバイト先ぐらいしかないわよね。でもアルバイトはお父様がお許しにならないでしょうしね」

「ええ、そうなんですよ。バイトは反対されています。やっぱり洋子さんの彼さんに紹介してもらおうかな」

優華が彼を紹介して欲しいと洋子の彼に相談すると言った気持ちが本当なのかどうか分からなかったが、いまは新幹線の中だけで終わってしまった。