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てっしゅう
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「空蝉の恋」 第三十三話

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夏休みに入って娘は彼とディズニーへ行くと言い出した。
彼とは一つ年下の自分を好いてくれている男性のことだ。二人で泊まるということは、男と女になるということだろう。いや、既にそうなっているかも知れない。

「ねえ、ママも一緒に行かない?だったら優華ちゃんも誘おうかと思うの?」

「ええ?彼とデートするんでしょ?優華ちゃんや私がいたら邪魔じゃないの」

「そんなことは無いよ。彼とはオープンに付き合いたいと思っているから、ママのことも、優華ちゃんのことも知っていて欲しいと思うの」

「あなたがそう言うならいいけど、お休みを出しておかないといけないから、なるだけ水曜日を挟んでね」

私は職場に迷惑を掛けたくなかったので、定休日の水曜日を挟んで出かけたいと娘に伝えた。

「わかったわ。それで宿を予約するから、決まったらすぐに言うわ」

優華は洋子の誘いに喜んで父親に許しを願い出た。
私たちはその日東京に向かって混雑する名古屋駅から新幹線に乗り込んだ。
洋子の彼はおとなしくあまり会話をすることは無かった。
逆に優華は私にいろんなことを聞いてくる。恋愛に興味が無いと話していたこともどこへやら。

「ねえ、おば様。私ぐらいの時に好きな人っていました?」

「好きな人はいたけど、伝えてはいないわ」

「どんな人なんですか?カッコいい人でした?」

「そうね、スポーツマンだった。私は運動音痴だから憧れていたのよね」

「わかります。私も同じです。スポーツが出来る男性はカッコいいと感じるんです」

「そう、学校には気になる人はいないの?」

「う~ん、今のところ見つからないですね。洋子さんの彼さんそんな感じだから、誰かカッコいい人紹介してもらおうかしら」

「あらあら、大胆な発言ね。ちょっと年上過ぎない?」

「3歳ですよね?気にならないです」

「年齢の差なんて、気にすることのほうがおかしいのかも知れない。お互いの気持ち次第って言うことよね」

「おば様はお父さんの事どう思っていますか?」

「ええ?急に何を言うの」