小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

約束

INDEX|3ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 


 週末を過ごす生活も2年目になった。忙しい仕事を持つてくることもあったが、ほとんどは、庭に出て花の手入れなどをしていた。主に地植えの薔薇であった。毎日水やりをしなくて済むからであったが、薔薇の花の華やかさが谷津の別れたときのスカートの印象であったからだ。ふんわりと膨らみ、オレンジ色で、蝶の絵柄で有った。
 隣の小池さんの娘は中学3年生になった途端に、髪を茶に染めていた。そのことで、親とトラブルが絶えないようであった。東京ではかなりの中学生が染めているが、大竹は、賛成派ではなかった。化粧して美しくなるのは、高校卒業まで待ってもいいだろうと思っていたが、自分の娘が高校生の時に『古い』と言われた。今から16,7年前のことだ。
 庭先で、遊びに行く娘に
「チャバツ直さないのなら小遣いあげないから」
「援助交際するからいらない」
と、小池さんの母親と娘が言い争っていた。
 大竹は薔薇に肥料をまいていたが、立ち上がって
「恵理さん、おじさんが小遣いあげるから、遊びに行っておいで」
「大竹さん余計なことしないでよ」
「援助交際よりはいいでしょう」
「するわけないわよ」
「そうですが、予防です」
 すでに、恵理は3千円を手にして立ち去っていた。
 母親は3千円を財布から出し
「お返しします」
 と大竹に手渡そうとした。
「差し上げたのですからいいです」
「いくらなんでもそんな訳には行きませんから」
 庭先で隣の人妻と手を握ったり離したり、そんな風に観られてしまいそうで、大竹は3千円を受け取った。
 大竹は後味の悪さを感じた。何とか3千円のお返しはしたいと考えた。中学3年生なら勉強を教えてみようと考えた。
 次の日曜に、恵理が大竹の家に来た。
「昨日はありがとう。2千円使ったから、1千円返します。あとは来月の小遣いから返します」
「そう、無理しなくていいよ。春休みだから、小遣い余計にお使うだろう」
「ほんと、話、分かるな」
「土日だけだけど、英語とか国語の勉強おじさん教えようか?」
「ほんと、うちの親ばかだから、塾はお金高いから、看護師になりたいな」
 それから、大竹は恵理に勉強を教えることになった。

作品名:約束 作家名:吉葉ひろし