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股野 特大
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novelistID. 38476
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ケンジとマサコ

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ケンジとマサコ




パソコンの画面には彼の口説き文句が並んでいた。
私も所詮ネットの中、彼もハンドルネームだしバーチャルな男。
このネット内に潜む男はいい加減なやつだと思っていた。
顔写真?
どっか、借り物じゃない?
男前?
自分で言うんじゃないよ。

彼のブログはたしかに女を惑わす甘い言葉が並ぶ。
星の降る夜に・・・なぁ~んて 昭和懐メロじゃないんだよっ!
しかし、そういう私も昭和ど真ん中の今じゃもう古い女だ。

その彼がしきりに私を誘ってきた。
原因は私のせいでもある・・・。
私もブログをしている。
それも、思いっきりいい女風に情けないけどデコレーションしている。
そして男を惑わす言葉も知っている。結構、オトコ遍歴もあるしボキャブラリーは豊富だ。
だいたい・・・

男は女の「さみしい・・・」ってやつに弱い。

いい男ぶりたいんだろうか?
それとも、つけ込む隙きをいつも伺ってるのは男の習性なんだろうか?
必ず、面白いように釣れる。。。。。(笑)

私は50近く。
もう世間ではババァだ。
だけど、ネットは需要と供給がうまい具合におりなす。
拾う神、、、神、、、神じゃないけど、髪が薄くなった年相応の男がやってくる。

まあ、いい。
私の体型からして、とやかく言えないし今更、若い子に気を使って若ぶって付き合うのもしんどい。
まあ、それなりの男がいつか現れれば。。。ラッキーじゃんっ!ってな具合だ。


そして、最近、やたらコメントを入れ、誘いをかける殿方が現れた。
それが彼だ。
顔が見えぬ相手には甘い言葉と無視。これが一番効果的だ。
アメとムチを使い分けるなんて私もどこかのSM女王様じゃないか・・・(笑)

つまらない男じゃない・・・。
それなりに彼のブログも面白い。だから「お気にい入り」というのに入れた。

自分でロマンチックと豪語する男は珍しい。
大抵は肩透かし食らって、ぶん殴ってやろうかというくらいのロマンチックに対して素人だ。
でも、彼はまあまあ・・・まあまあ。。。。。
まあ、若干、あと少し女心を読み取ってほしい部分はあるが、合格点だ。。。まあまあ。
だからこの、、、この、口うるさい私が惹かれたわけではあるが、正直なところ彼のロマンチックより二重人格的なミステリアスに心奪われた。

私も二重人格では負けてない。
ほとんど外面、内面を上手に使い分けてる・・・(つもりだ)

似た者同士なのか。。。彼には惹かれた。


作品名:ケンジとマサコ 作家名:股野 特大