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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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Deep Fantasia

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 しばらく泳いで進むと、大小いくつもの貝殻でできたお城が見えてきました。
「ほら、あちらが私の家です!」
 人魚がお城のほうを指差して言いました。
「へえ、君はお姫様なんだ」
「はい、そうなのです」

 やがて、2人は海のお城の門に着きました。色とりどりの魚たちが、楽しそうに泳ぎながら良太郎を歓迎してくれました。海のお城の楽しそうな雰囲気に、良太郎の顔はほころびました。

 お城の大広間に入ると、大勢の人魚が良太郎を迎え、1人が彼の首にパステルグリーンの貝殻のネックレスをかけてくれました。
「明るいねえ」
 数人の人魚に案内され、彼は大きなテーブルの1席に座りました。彼の前には、いかにもおいしそうなごちそうが並んでいます。
「いやあ、まるでVIP待遇だねぇ」

 良太郎を連れてきた人魚に勧められ、彼はスプーンを持ってコーンピラフを食べました。その料理がおいしかったのは言うまでもありません。ほかにもサラダにチーズフォンデュ、何種類かのパン…。人魚たちの食べるものは人間と変わらないようです。


 テーブルの前で、最初に会った人魚姫が歌い始めました。彼女の声が美しいのは言うまでもありません。彼女の歌声にうっとりしていると、良太郎の両隣に、人魚姫の姉のうち2人が座ってきました。彼の左側に座った人魚は彼の頭にオレンジ色のヒトデを載せ、
「いや〜ん、お似合い♪」
 と言いました。右側に座った人魚は、
「ねえ、頭をこっちに寄せて」
 と言いました。彼がそのとおりにすると、彼女は小さな真珠でできたネックレスを着けてくれました。
「ほら、素敵でしょ」
 良太郎は、本当に楽しそう。

 すると、人魚姫の姉の別の1人が、1本の瓶を持ってきました。
(これはもしかして…)
 彼女は瓶のふたを開け、グラスに中身を注ぎました。その液体は水色のラムネに似ていました。またも彼女に勧められてそれを飲むと、甘じょっぱい味がしました。でも、彼はその飲み物が気に入り、もう1杯おかわりしました。
作品名:Deep Fantasia 作家名:藍城 舞美