小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

「空蝉の恋」 第十七話

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

「ええ?そんなことがあったの。教えてよ、直ぐに」

「恵美子に言おうと思ったんだけど、きっと佳恵さんから聞いているだろうと思っていたよ。知らなかったんだね」

「そうよ、毎週会っているけど言わなかったわね。やましく感じたのかしら?」

「佳恵さんは、和仁のことをひょっとして意識しているんじゃないのか?黙っていたということはそうとも取れるよ」

「康生さん、そうならもう和仁とはデートでもしていると思う。相変わらず会う時は三人なのよね。進んでないと思うわ」

「なあ、佳恵さんを誘って四人で遊びに行かないか?おれたちが仲良くしていれば、刺激を受けて気持ちが傾くかもしれないぞ」

「康生さん、それいい考えね。どう、和仁?」

「ああ、泊りにすれば・・・効果があるかも」

「いいね、お泊り。私と康生さん、和仁と佳恵さん。それとも四人同じ部屋?ハハハ~」

「お前は本当にやらしいなあ~」

和仁がそう言って三人は大爆笑になった。
こんな話が出来上がっていることを知らずに佳恵は徳永とのデートも終盤に差し掛かっていた。

薄い雲がかかる西の空に夕日が沈む。
茜色に染まる空が次第に薄暗くなってゆく。
浜辺に降り立っている佳恵と徳永はそれを眺めていた。

半分ぐらい太陽が水平線に沈んで、もう暗くなった浜辺に人影はなかった。
気配を感じて横を向くと、隣りにいた徳永がいない。
「えっ?」と思ったその瞬間、後ろからギュッと強く抱きしめられた。

「徳永さん~いけませんわ・・・」

もがく私の耳元で、

「佳恵さんが好きです。放したくありません」

「徳永さん・・・困ります・・・」

徳永の長い腕が少し上に動いて、私の胸を締め付ける。

「そんなあ~・・・恥ずかしいのでやめてください」

振りむこうとして、徳永と目を合わせた瞬間!
唇が重なった。