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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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彼らが浴衣に着替えたら

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後編


 休憩ののち、「LOVE BRAVE」はメイクと衣装を直して、後半の写真撮影を始めた。日本庭園のセットの中心には、小さめのビニールプールが置かれ、その中には色とりどりの水ヨーヨーが浮かんでいる。スタッフの指示で、4人はヨーヨー釣りをすることになった。しかも制限時間30秒という縛り付きで。
 最初に、フィルが挑戦した。もちろん、彼にとって初めてのことなので、かなり真剣になっている。それでも、ゲーム開始から20秒ほどで赤色の水ヨーヨーをゲットした。フィルは子どものように喜び、ゲットしたものを仲間たちに見せた。
 次に、ヒューゴが挑戦した。ヒューゴはもともとゲーム系のものが好きなので、楽しみながらゲームに挑んだ。そして開始7秒で緑色の水ヨーヨーをゲットしたのである。このスピードクリアにはメンバーも拍手喝采。彼が言うには、ビニールプールの中を見たとき、既に色を決めていたから早くゲットできたのだとか。
 今度は、ジミーの番になった。彼は結構苦戦したが、ゲーム終了3秒前で黄色の水ヨーヨーをゲットするという逆転劇を見せた。取った瞬間、緊張が解け、ジミーはフィル同様、喜びを顔いっぱいに示した。
 最後のプレーヤーは、スティーブンである。他のメンバーの、「俺らみんな成功したんだ、おまえも成功させろよ?」的なプレッシャーに満ちた視線の中、ゲームを始めた。すると彼はものの10秒で白の水ヨーヨーをゲットしたのである。こうして「LOVE BRAVE」全員がゲームをクリアし、互いに喜び合った。ゲーム中の4人を、ホシノさんは撮りまくっていた。

 そのあと、ヨーヨーの使い方をスタッフの1人から教わり、ヨーヨーで遊んだり、指にぶら下げて笑みを見せるショットなどを撮った。


 さて次は、縁側に座ってかき氷を食べるシーンの撮影だった。フィルはイチゴ味、ヒューゴはメロン味、ジミーはレモン味、スティーブンはブルーラムネ味(いわゆるブルーハワイ)のかき氷を手にして、普通に食べ始めた。生まれて初めて食べる日本の夏スイーツを、みんな大絶賛した。ホシノさんは、
「シェーブドアイス、おいしそうですね〜」
 とか、
「いい顔だ〜」
 と言いながら、メンバー一人一人を撮影した。

 と、そこで、カンペを見るようにという指示が出た。それを見ると、「フィルだけシェーブドアイス(かき氷のこと)を素早く食べる」と書かれていた。
(何で僕だけ)
 とフィルは思ったが、一応そのとおりにした。すると、ゆっくり味わわれることなく口に放り込まれた氷の怨念なのか、彼はそのこめかみにキンキン攻撃をくらった。その様子は、メンバーとスタッフ一同に大ウケ。

 こうして、「LOVE BRAVE」の浴衣姿の撮影は滞りなく終了した。余談だが、4人が控室に戻るとき、スティーブンの草履が片方脱げてしまったけれど、しばらく気付かなかったというハプニングもあったそうだ。

                               ― Fin ―