小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

HAPPY BLUE SKY 中編

INDEX|3ページ/25ページ|

次のページ前のページ
 

卒業後の私‥


NATOC・ファイン支部では、今年も訓練校を卒業した新人が新しい制服に身を包んで【初登庁】に臨んだ。初登庁したその新人達の横を通り過ぎた時だった。どうやら私は同じ新人と思われたらしい。今日はボスのお供で、普段袖を通さない軍服(ディリーはノーマルのパンツ・スーツ)を着て、おまけに制帽も被っていた。ボスとミストル支部(隣の支部)に行った帰りだった。ボスはヤボ用(どっかでタバコ吸ってんだわ)で私に「先に行け」と言って屋外に消えた。

「君はどこの部署に配属になったんだ?俺はXXX部なんだ。どんな所か知ってる?知ってたら教えてくれよ」私はその新人の顔を見た。
「ね!教えてよ。君も新人なんだろ‥軍服新しいじゃん」
私は自分の軍服を思わず見てしまった。正式隊員になって片手も着てない軍服だから、新品に見えたのかもしれない。ここでタメ口を聞いてはいけない。私は制帽を指で軽く挙げた。新人の顔が引きつった‥

「訓練校で学習しなかったのか?もう一度訓練校に戻って出直して来い!階級上の隊員にタメ口利いて良いと思ってるのか?」ワザと声のトーンを落とした私だった。
「も‥申し訳ございません!陸軍上等兵殿!」
私の制帽の階級バッチを見て、青い顔をして直立不動の敬礼をした新人だった。

私はNATOC・ファイン支部に入隊して2年が経っていた。階級は【上等兵】に昇格していた。当然でしょ‥新人と一緒にされたくありませんって。私の後ろで咳払いが聞こえた。
「もういい!行ってよし!今度こんな言動を見かけたら、直属上司に報告する!行け」
新人は頭を下げながら、私のそばを離れた。私は振り向かずに言った‥
「思ってらっしゃる事をお答えしましょうか?ボス」

そう‥咳払いはボスこと少佐だった。
「イエ‥結構でございます。言ったら、俺のリクエストを利いてもらえなくなるからな。うちの【裏番】のカッジュさんに!ほら行くぜ‥今日は表通りのカフェテラスがいいのか?俺のリクエスト全部利いてくれたら2杯までなら食べていい」
「やったぁ。デラックス・パフェでもいいんですか?先週新商品が出たんです!ストロベリーとピーチの!もちろん私1人ですよね!少佐ぁ」
「はいはい!ツィンダーとヨルはレギュラーだ。頼んだぜ!カッジュ上等兵」
「ラジャ!」私は少佐に向かって敬礼をした。
作品名:HAPPY BLUE SKY 中編 作家名:楓 美風