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HAPPY BLUE SKY

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少佐の思惑‥ハズレ【1】



俺はクラウス・デ・ウィル・ボンバード少佐だ。軍人になってから10年目だが。俺達が訓練校に入校した時は女子はほぼいなかった。いたとしても数名で、訓練校を卒業するまでに大半が辞めた。それぐらい厳しい訓練校だった。また無事に訓練校を卒業した女子もいたが、ソイツらは女の容姿してなかったな。タッパもあり身体つきも大きかった。俺の偏見かもしれん。強い女はそれなりの容姿をしていると思った。だから‥今俺の目の前で訓練生の【カッジュ】が繰り広げている乱闘が信じられない。乱闘じゃなかった‥
【捕り物】だ。俺達の仕事は‥他国のエージェントを捕獲し【情報】を聞き出すことだ。他国のエージェントも元軍人で訓練で鍛え抜かれたヤツばかりだが‥

アーノルド指導教育係がベン指導教育係と両手を合わせた。
「やったぁ!カッジュ訓練生の圧倒的な勝ちだ」
「スゴイよ。ナリは細いけどさ。足蹴りの破壊力!電柱折りそうなパワーだぜ」
俺はその声に‥またカッジュ訓練生に視線を戻した。その時だった‥

「ボスッ!次はレベルは何ですか?早く言ってください」(ボス=少佐の事)
そのカッジュ訓練生が俺の顔を見て言った。俺は持っていた雑誌を車のボンネットで3回叩き、また一呼吸置いて1回叩いた。その次の瞬間‥カッジュ訓練生の姿が一瞬消えた。消えたと思ったら相手の左横にいて、彼女の前足が地面から浮いた瞬間に、男はそばにあった電柱に蹴り飛ばされた、その男は完全に失神していた。同じ捕り物に参戦していたツエットがかがみこんで男の様子を見た。
「ボスッ!リクエスト通り失神です。吐かせは俺がやっていいんですか?」
「あぁ‥横にカッジュに立ってもらえ。効果抜群だぜ」俺はタバコを吹かしながら言った。

気がついた男は、ツエットの横に立っているカッジュを見て青い顔した。地面に尻をつけたまま後ずさりをした。それだけカッジュが怖かったのだろう。部員達はその光景を笑いながら見ていた。またカッジュはどこで拾ったのか、ペンキのスチール缶を左手に持っていた。

ツエットの顔が引き締まって、男の胸ぐらをつかんだ。
「おらぁ!吐けよ‥吐かないと横の人がこんな事するぞ」
ツエットのその声に、カッジュ訓練生はスチール缶を男の目の前に持ってきて無言で‥スチール缶を握りしめた。男は目を見開いたまま‥硬直していた。男の横には、一瞬の力でペチャンコにされたスチール缶が転がっていた。男は蚊の鳴くような声で情報をしゃべりだした。また、カッジュ訓練生はその男の横で2個目のスチール缶を手に取っていた。そして、カッジュ訓練生が言った。
「聞こえない‥」その言葉をいい、2個目のスチール缶を男の目の前でつぶした。
男は声を張り上げるように、情報をしゃべった。

部室に帰ると、部室内には甘い匂いが立ち込めている。その中でカッジュ訓練生は両手にドーナツを持って口に頬張っていた。どうやら、アーノルド指導教育係が与えたようだ。
「美味いか?カッジュ」
「はい!とっても‥美味しいです。もう1個いいですか?」
アーノルド指導教育係は笑顔でうなづいた。あのヤロー甘い顔するなって言ったのに。

ドーナツも食べ終わったみたいだ。ちょっと聞いてみるか‥
「カッジュ訓練生!」俺はワザと低めの声を出した。
カッジュ訓練生は走って俺のデスクに来た。
「お呼びですか?少佐ッ」少し引きつった顔で言った。
作品名:HAPPY BLUE SKY 作家名:楓 美風