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満たされぬ心

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俊樹がそんな態度を取るから、私も口を利かなくなる。
ますます家の中が暗くなるのだ‥数年前の私なら。
「こんなことではいけない」と思い自分から‥俊樹に向き合うのだが。
もう今では向き合えなかった。それには理由があるのだ‥

見てしまったのだ‥俊樹の携帯を。
見るつもりはなかった‥本当に偶然だったのだ。 
俊樹が携帯をテーブルの上に置いて、自分の部屋に本を取りに行った。
私は俊樹の横の椅子で縫物をしていた。

生地をテーブルに広げチャコールペンシルで型どりをしていた。
カーブの線が綺麗にかけず、生地を引っ張りながら書き込んでいた。
生地を引っ張った手が‥俊樹の携帯に当たってしまった。
携帯はテーブルから落ち、ラグマットの上に転がった。

「あ‥大丈夫かしら?」
ディスプレイ画面に何も異常がなければ大丈夫だと思ったから。
私は画面の表示を見た。落ちた時か‥私の手が当たったのか。
画面は着信履歴になっていた。1番上にの着信表示が‥
「麻里子さん」となっていた。私の知らない名前だった‥
それから‥神様は私にここぞ言うばかり、色んなものを「発見」させてくれるのだった。
作品名:満たされぬ心 作家名:楓 美風