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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI どんなに素敵な昨日でも

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「遠慮のないとこが自然体だよ。じゃ、それをメインにしてCコースでいいかな? デザートも付いてるし」
「そんな高いほうじゃなくって、Aコースでいいです」
「それ遠慮でしょ。このアルバイトには、食事も付いてるみたいなもんだから」
「え? そんないい仕事ないですよ」
「デザートにお勧めのクリームブリュレを食べてほしいんだけどな」
「おー、それには目が無いんですよね」

 コンソメ仕立てのレンコンスープが運ばれて来て、恵美莉はそれをスプーンですくいながら、話を切り出した。
「あたし、気になる男子がいて、その人と付き合っていいのか悩んでるんです」
「先週知り合った彼だね」
「菅生春樹君て言う3回生です」
「ずうずうしい子だって言ってたと思うけど、どういうところに惹かれたの?」
「話してみると全然普通で、最初すごく構えてたのに、自然に一緒にいられるんですよ」
「今、僕の前にも自然体のままで話してるように見えるよ」
「あ、そうですね。先生も構えなくっても平気です」
「菅生君と付き合うって話は出てるの?」
「一度、LINEでそう言われました」
「どう返したの?」
「考えとくって」
「まだ、その気持ちになってなかったって事?」
「・・・うーん。付き合っていいのか分からなくって」
「うん・・・・・・」
「あたし次第ですよね」
「そうとすれば、もう付き合いたいんでしょ」
「でも元カレのことが気になって」
「しっかり別れたのに?」
「はい。この前もLINEが久しぶりに来たんですけど、はっきりと言って切っちゃいました」
「もう、けじめは付いてるってことか」
「はあ」
恵美莉は、深い溜息をついた。