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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「歴女先生教えて~パート2」 第十話

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「今日は前回アッカド帝国というメソポタミアに初めて成立した帝国から少し後に生まれた各地の大国について話します。まずエジプトです。古代のエジプトでは、長い歴史の中で三回に渡って強大な統一王国の時代があったの。古王国(第三~第六王朝)BC2682~BC2191頃。中王国(第十一~第十二王朝)BC2040~BC1794頃。そして、新王国(第十八~第二十王国)BC1540~BC1070頃。
東地中海に君臨し、ギリシャ文明のもとになったエジプト中王国は、地方の干拓を行ない、250年ほど続いたの。地中海のクレタ文明にも影響を与えているの。クレタ文明はエーゲ文明とも言われるんだけど、有名なクノッソス宮殿の迷宮があるわね」

「一番栄えたのは新王国の時代ですよね?」

「ええ、そうよ望月さん。中王国が分裂状態となって、ヒクソスと呼ばれる人々が侵入して来て、中王国を滅ぼすの。エジプトに初めて異邦人の王国が誕生したのね。ヒクソスとは異国の支配者という意味なんだけど、その正体はアッカドやバビロニアと同じセム族に属する人々だったみたい。彼らは強力な武器、馬で引くチャリオットで武装していた。ユーラシア中央の草原地帯で、BC4000年頃に蒙古馬(もうこうま)が初めて家畜化されたの。初めは食用だったのだけど、その走力と牽引力が注目されて、メソポタミアから伝わっていた車輪と組み合わせて、馬が引く二輪の戦車、チャリオットが発明されたの。馬の引手と弓を射る人が乗るのね。この武器は第一次軍事革命とも呼ばれているの」

「その強力な武器の威力でセム族の人たちは侵略を始めたのですね?」

「セム族とは、セム語を話す民族のこと。メソポタミアに誕生したアッカド、バビロニア、アッシリアなどがそう。古代エジプト語やベルベル語などを話す人たちは北アフリカのハム語族ね。セム語族とハム語族をまとめて、アフロ・アジア語族と呼ばれているわ。もう一つの語族も現れるの。それはインド・ヨーロッパ語族と呼ばれる人たち。ヘレニック語派(ギリシャ語など)、イタリック語派(ラテン語など)、ゲルマン語派、スラヴ語派、インド・イラン語派などを含むわ。彼らの故郷はカスピ海の北部地域だったと思われる。人口が増えてきて、暖かい地方に向かって草原沿いに南西部へと移動した。その最初がヒッタイト人だった。けれど、メソポタミアやシリア地方は強力な民族が居て侵入しても勝てそうになかったから、現在のトルコ共和国があるアナトリア半島へ迂回して定住したの」

「その人たちも強力な武器を手にしていたのですか?」