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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

INDEX|55ページ/57ページ|

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 私は船の爆発の時も奇跡的に助かった・・・。どうしてそんなに運がいいの? また激しい胸騒ぎを感じる。

 これって、まさか。ホロチャンバーの安全装置?

「コ・・・コンピューター。ホロプログラム終了」
景色が消え、私とケイだけが、ラボのホロチャンバーの中にいた。
「・・・どういうことケイ?」

 ケイは落ち着いた様子でエルを見つめ、次のように説明した。
アップルに帰還した時から、一度もエルの意識は戻らず、苦肉の策として、ついに記憶だけコピーして、ホロプログラムとして体を再生したという。
 今のエルはホロシミュレーションのキャラクターに過ぎず、このホロチャンバーからは出られないのだ。

 エルは途方に暮れ、ケイから目を逸らし深く悲しんだ。
「ケイ。もう、こんなプログラムは止めて」
「そんなことをすれば、あなたは生きられない。ここはエルにとって現実と同じなのですよ」
ケイは何事もなかったかのように、微笑みながらエルに話す。

 ダメ。もう耐えられない・・・。

 エルは自ら、
「コンピューター。ホロプログラム終了」