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レイドリフト・ドラゴンメイド  第27話 この宇宙域

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 しかも、防衛大臣は一人の男に肩を貸している。
 男は、足を痛めたのか一人では歩けないようだ。
 手や顔も、包帯や絆創膏でかばっていた。
『あなた、パーティー会場で生き埋めになった、カメラマンの? 』
 ユニが気付いた。

『フリーカメラマン、池井 秋男です』
 カメラマンは、力無い微笑みを向けると、今度は総理に向き直った。
『ここなら、安全だな? 』
 完全なため口だ。
『ええ』
 それを聞いて、池井カメラマンは安心したというより、かえって緊張しながら言った。
『お前には痛い目にあってもらうかもしれない。許せよ』

 だが防衛大臣は、先にいた3人を心配そうな視線で見つめた。
『しかし、ここでは機密保持ができません』
 防衛大臣の言うとうりだ。
 ここは狭く、秘書もSPも入ってこない。
『いえ。ここで言いたいのは、ただの記者の推理です。そちらの方々にも聞いてもらいましょう』
 池井カメラマンに誘われた。
『思いだしました。あなた、記者時代の前藤総理の先輩の! 』
 巌が気付いた。

『ご存知でしたか。では、名刺もないので、単刀直入にお聞きします』
 池井カメラマンは、本当に、食い込むような視線を生徒会に向ける。
『チェ連の政治関係者達は、あなた達の仲間によって、考えていることをすべて話すようになった。そうですね? 』
 ティッシー・泉井のことだ。
『はい、そうです』
 ユニが答えた。
『では、その際チェ連の人たちは、何らかの政治的考えを言いましたか? 例えば、どこそこから増援を呼びたいとか』

 池井カメラマンの問いに、3人の異能者は一瞬考えた。
『一番長く見ていたのは、私です』
 ボルケーナが答えた。
『ですが、あの人たちの質問は、地球人がこの星をどう感じたか。とか、これまでの超次元地域合同調査隊の事とか、私たち自身の事ばかりでした』

 その答えに、池井カメラマンは納得がいったようだ。
『前藤、ここにいるチェ連の政府関係者は、もう関係者じゃない。今チェ連がやっている作戦についても何も知らない。すべて、生徒会を召喚した科学者達に権利は移っている! 』

 驚きの声が漏れた。
 と同時に、総理が腹を強く抑え、座り込んだ。
『総理! 古傷が痛むのですか!? 』
 周囲の政治家が心配する中、本人はへたり込みながらも話を聞いていた。
 
 池井カメラマンは、生徒会の3人に向き直る。
 こうなってはどうにもできない。
 わかってはいるが、ぎりぎりの決断で振り返ったのだろう。
『君たちは、フセン市周辺を占領した。
 その占領は、明日の調印式で、即座に返還される。
 チェ連側はそう言ったそうですね? 』

 ユニと巌の、肯定。

『それはおかしい。明日書類にサインしても、それは調印としか呼ばれない。
 そののちに各々が国会に持って帰り、議論して決定する。
 それが地球のやり方です。
 だがチェ連人は、一回の会議で、すべてを決めてしまうのかもしれない。
 会議というより、事実上の命令ですね。
 つまり……』
 カメラマンは、少し間を置いた。
『チェ連では、事前の取り決めさえあれば、最高権力者の権力でも奪うことができる。
 イストリア書記長たちは、勝ち目のない作戦に無理やり巻き込まれたんだ!
 これが私の推理です』