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われらの! ライダー!(第三部)

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「ぎゃぁぁぁぁ!」
 蚊女……いや、ここは同情をこめてモスキートガールと呼んでやろう……は泡を吹きながら昏倒した。


「あ~あ、やっちゃったよ」
「同士討ちとはな……」
「まあ、俺らは手間が省けたけどな」
「でもちょっと……ううん、だいぶ聞き苦しかったわね」

「きぃっ! あんたたちもそこで笑ってるんじゃないわよ!」
 同士討ちに勝利した蝙蝠女は目を吊り上げて飛び上がった。

「こりゃ、俺のパイプ椅子の出番かな?」
 パイプ椅子に手を伸ばすマッスルをライダーが制した。
「いや、これで充分だろう……」
「なるほど、そいつはいいや」
 ライダーが手にした物を見て、マッスルが笑った。

 蝙蝠女が急降下を始める。
「行くぞ! ライダー・缶・キック!」
「ギャッ!」
 ライダーが渾身の力で蹴り上げた缶は眉間に命中、空中でバランスを崩した蝙蝠女はどさりと地面に落ち、動かなくなった。
「最後はなんだか締まったような締まらなかったような……だが、これで一件落着だな、後は警察に任せるとして、その前に私は蝙蝠女と噛まれた3人にワクチンを打って来るよ、せっかく日本には狂犬病は無くなったんだからな、復活して貰っては困る」
 ライダーマンは救急箱を片手にグラウンドに散らばったショッカーどもの元へ。

「さて、我々は引き上げるとするか……せっかくの大会が台無しになってしまったな」
 変身を解いた剛が肩をそびやかす、するとやはり変身を解いた志のぶが……。
「あ、あなた、ちょっと待って」
「どうした? 志のぶ」
「随分へこんじゃったけど……」
 志のぶは、ライダーが蹴った缶を拾って来て×マークに据えた。
「ストンプ! 黒もアウト! これで5-4、第1回スポーツ缶けり東京都大会は『チーム・アミーゴ』の優勝ね!」
 茶目っ気たっぷりの志のぶのウインク、それには剛も『アウト~!』だ。
 まあ、それはいつだってそうなのだが……。


             (キックだ! ライダー! 終)