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われらの! ライダー!(第三部)

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(律儀に読んでくださった方、お疲れ様でした、ありがとうございます(^^))


ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


 ルールが整備され、審判までつけた大会ではあるが、いかんせん寄せ集めチーム同士の対戦、かなり年配の選手や、明らかに運動不足で足がもつれる選手も多い、しかしそれはそれで笑いの絶えない、和気藹々としたムードで大会は進行して行く。

 志のぶが参加している『チーム・アミーゴ』は、志のぶの活躍により一回戦を危なげなく突破した。

 二回戦・準決勝の相手は、優勝候補筆頭と言われている、会場となった小学校の教員チーム。 20代から30代前半までのメンバーが揃い、子供たちの圧倒的な声援も味方につけている。
 
 第2クォーターまで、1-4とリードを許してしまった。
 第3クォーター、チーム・アミーゴは志のぶの身体能力を生かした作戦を立てた。
 志のぶをなるべくサークルに近い位置に隠す。 一見エースを危険に晒すようだが、相手のオニも女性、走力には自信を持っているようだが、所詮志のぶの敵ではない、他のメンバーが見つかりコールされたとしても、志のぶが缶の近くに位置しているならばリキックでコールを無効化することが可能なのだ。
 第三クォーターは志のぶのリキックが何度も決まって、シークチーム無得点で終了、勝負は志のぶがオニになる最終クォーターにもつれ込んだ。
 
 キックオフされた缶をセットし、審判に目隠しされる10秒、それはハイドチームがオニに見られずに隠れるための猶予なのだが、志のぶには目隠しは大した意味を成さない。
 地獄耳を発動すれば、足音の方向と到達した距離が大体わかってしまうから、志のぶには誰が、とまではわからなくとも、隠れている場所は特定できてしまうのだ。
 教員チームもチーム・アミーゴの作戦を参考にしたのか、若い男性、おそらくは体育の教師3人を近場の板に隠した。
 さすがの志のぶも男性の体育教師二人を相手にして10メートル、15メートルの距離では分が悪い、オニは進行方向が逆になるので、スタートダッシュではどうしても遅れをとるのだ。
 志のぶはわざと15メートル板に向かうフリをして、10メートル板の裏が見えるところまで回り込む、すると10メートル板から緑、15メートル板から茶色がほぼ同時に飛び出して来た。
 志のぶはわざとコールしないままサークルへとダッシュする、負けじと猛然とリキックに向かう緑、必死に志のぶを追う茶色、そしてストンプに向かう志のぶ。
 しかし、ここでも志のぶの身体能力がモノを言う、志のぶはサークル直前で前方宙返り1/2ひねりの大技を繰り出し、着地もぴたりと決めて急停止、勢い余った緑と茶色はサークル内に入ってしまった。
 志のぶは、してやったりの笑顔で高らかに宣言する。
「はい、緑さん、茶色さん、アウト~!」

 もう一人の男性は20メートル板の裏。
「青!」
 今度は見つけざまにコールし、走力勝負に持ち込む、20メートルの距離があり、リキック役も既にいないとあれば、体育教師と言えども勝ち目はない。
「ストンプ! 青さん、アウト~!」

 残るは女性二人、しょせん志のぶの敵ではない、しかも隠れ場所もバレバレとあってはひとたまりもない、志のぶは2分13秒を残して全員をアウトにしてしまった。
 5ポイントプラス、(2×60+13)/60=2.21、小数点2位以下切捨てで2.2ポイント加算、志のぶ一人で7.2ポイントの荒稼ぎ、8.2-4で逆転勝利だ。

 もうひとつのブロックを制したのは『チーム・衝撃者』、こちらも圧倒的な強さで勝ち上がってきた。
 やはり並外れた探索力を持つ二人の女性選手がいて、どちらもあっという間にハイドチームを見つけ出してしまうのだ。


ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


 いよいよ決勝戦。
 敗退したチームは皆ギャラリーとなり、歓声を聞きつけて子供たちも集まってきて、本部席は大賑わい、学校は急遽屋上を観客席として開放しなければならなかったほどだ。

 じゃんけんに勝った『チーム・アミーゴ』はハイドを選択した。
 『チーム・衝撃者』の女性選手二人の探索能力に疑問を抱いた志のぶが、『まず、相手の力を見極めましょう』と進言したのだ。
 
 カーン。
 志のぶのキックオフで試合開始、志のぶは作戦通りサークルから一番近い板の裏側に身を潜めた。
 相手チームのオニはやけに耳の大きい女性……探索能力の秘密は自分と同じ聴力にあるのではないかと睨み、息をぐっと潜ませて地獄耳を発動する……と、耳の奥に刺す様な痛み。
(な、なんなの? これ?)
 ギャラリーを見やると誰も痛がっていない様子、それどころか気付いてもいないようだ。
(来た!)
 『耳』はあまりスマートとは言えない、通常聴力に戻してもドスドスと足音が丸聞こえだ。
(今よ!)
 『耳』をぎりぎりまで引き付けてから、志のぶはさっと板の裏から飛び出す。
「白、白!」
 『耳』がコールする、ここからは脚の勝負だ。
 『耳』との差は僅か、志のぶは悠々と『耳』を追い抜き、リキックに成功した。
(今度こそ能力を見極めないと)
 志のぶはそう考え、プールの裏まで走った、今度はサークルから一番遠くだ。
(あ、また……)
 再び地獄耳を発動すると痛みが襲って来る、そしてチームメイトが次々と発見されて行く。
(これは……蝙蝠の能力! 超音波を発信してエコーで居場所を察知してるんだわ)
 そう言えば相手チームの名前は『衝撃者』……『ショッカー』だ!
(あなた、聞こえる?)
 志のぶは剛に念を送る、とすぐに反応があった。
(聞こえる、どうした?)
(あの耳が大きい女性、蝙蝠の能力を使ってる)
(なんだって!?)
(『チーム・衝撃者』は『チーム・ショッカー』よ!)
(なるほど! そうか! わかった、おやっさんに伝えてライダーたちを呼んでもらおう)
(ええ、急いで)
(それからGO-ON号に戻ってライダースーツと忍び装束を取ってくるからな、それまで無茶するなよ)
(わかってる、お願いね)
 

ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


「わかりました、おやっさん、すぐ行きます! 聞いたか? ライダーマン!」
「すまん、ライダー、蝙蝠女が相手だとすると用意するものがある、一足先に行ってくれ」
「わかった!」
「あ、待て、ライダー、これを持って行ってくれ」
「これは?」
「耳栓さ、蝙蝠は超音波を発するからな、それで防ぎきれるわけではないが少しはマシだろう……ところで、君の耳って」
「ここさ」
「ああ、なるほど……準備が出来次第俺も追う、行ってくれ! ライダー!」
 ライダーは親指を立てると爆音を残して走り去った。

 ライダーマン・結城丈二も、必要な機器をかき集め、有効と思われるアタッチメントを引っつかむと、バイクに向かって走りながら友人の医師に電話をかけた。
「結城だ! 今からすぐにそっちへ向かうから、狂犬病のワクチンをありったけ準備してくれないか、発症後用のだ、頼んだぞ!」