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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第十七話

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渡辺が天皇家は本当に神の子孫なのか?という質問をした。
もちろん作られた歴史と言うものが存在するので、正しくは神から任された一族というのが認識としては良いのかも知れない。
日本の国家形成に大きな役割を天皇が行ってきたことは事実であり、天皇という存在そのものが日本国家の始まりを代表する一族だったことも否めないであろう。

「渡辺くんは神を信じているの?」

「クリスチャンじゃないので、信じていません」

「なら、神の子孫なんて嘘っぱちって考えるわよね?」

「嘘っぱちというより、信じられないという感じです」

「なるほど。否定はしないけど肯定もしないという感じね?」

「はい。世界中で信じている人もたくさんいますし、何かの時に神頼みってしますから、居てくれたらいいなあ~という気持ちです」

「日本は神そのものの子孫が天皇だということになっているから、絶対的な存在よね。その信仰心が天皇を中心に一つにまとまって国家を形成してゆく考え方に通じているの。だから大きな事変や戦争があっても国家が分断したり、国民がバラバラになったりすることなく平和が維持出来たの。昭和の時代まで外国の武力によって支配されることもなく、多大な被害を被ったこともなかったのよね。鎖国していたからという人がいるけど違うと考えるわ。理由はまた話しますけど」

「先生、話戻りますけど、藤原氏の勢力があれだけ強かったのに、どうして平家に始まる武家政権にとって代わられたのでしょう?」

「そうね、そこのところが日本史の大きなテーマね。国家というのはね、初め独裁政権でスタートするの。そして群雄割拠して共同体制になる。やがて中央集権になって封建社会へと成熟してゆくの。封建とは君主が領民に土地を与え、代わりに臣従を誓わせる制度のこと。その封建制が改まって民主主義となり、主権が君主から国民へ移る近代の社会制度となるのね。つまり数百年または千年以上の長い歴史を経て、平和な国家は建設されるということなのよ。この期間日本はどこにも侵略されることなく過ごしてきた稀な国家というわけ。その大きな要因を考えないといけないわね」

「最後に長い歴史で培ってきた努力がアメリカとの戦争で破壊されたのですね。その意味では日本の一番の変化は昭和20年だと考えます」

「高木くん、考えが深いわ。歴史は過去に学ぶことなく同じようなことが繰り返される。日清戦争・日露戦争で勝利した日本軍はその本質を見抜けなくて、無謀な戦争に突入したのよね。ここのところは少し後になるけどしっかりと学習して欲しいわ。まずは何故武士が貴族に変わって政権を取ろうとしたのか、と言う事ね。そもそも武士って生い立ちは何だろう?解る人いますか?」

「先生、それは自衛する必要があった農民じゃないでしょうか?」

「自衛する農民?」