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からっ風と、繭の郷の子守唄 105話~110話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(106) 
「いい歳をした大人の告白は、甘く切なくまた、誠実に」


 「ついさっきまで温泉に入っていたとは言え、この季節になると
 山の気温は急激に冷えてくる。
 湯冷めをしないうち、早めに車へもどりましょう」

 「もう戻るんどすか?。残念どすなぁ。
 康平くんが温めてくれれば、30分でも1時間でも見とったいのに。
 惜しいことどす」

 「君がそう言うだろうと思って、次のスポットも考えてある。
 ただし道路の一部から見るので、車の中から夜景を見下ろすことになる」



 「いたれりつくせりどす。
 まるで詐欺師みたいに見事な段取りどすなぁ、今夜の康平くんは。
 そうどすやろ。こんな場所で夜景を見もって、長い告白を
 繰り返しとったらあっというまに、風邪をひいてしまいます。
 分かりました。すみやかに移動しましょう。
 次なる『告白のための』スポットへ。うっふっふ」