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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
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映画 戦国生徒会

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第30章: 出待ち



 映画スタッフは、夜も更けた繁華街を、通行人を避けながら急ぎ足で、元来た道を戻った。ライブハウスの前に、恵美莉と村木が立っているのを見付けて、全員の疑惑が確信に変わった。
(川崎恵美莉)「どうしたの?」
(椋ノ木優愛)「どうしたのじゃないわ。まだ二人は楽屋なの?」
(川崎恵美莉)「これって、バレちゃったってこと?」
(福田悠人) 「やっぱり! そういうこと?」
恵美莉は、困った目で村木を見た。
(村木颯介) 「LINEが既読にならないから、話合ってる最中だと思うんだ」

 ライブは終了し、チケット売り場はシャッターが閉められ、外からは中の様子が伺い知れない状況だった。併設されたBarの入り口だけが開いていたが、高校生の彼らは、突入するのを躊躇した。
(中川豊)  「電話してみる」
1分ほどコールして待ったが、博之は出ない。
(近藤彰正) 「裏口がないか見てくる」
(福田悠人) 「俺も一緒に」
暫くして二人が戻ってきたが、ビルの裏は川で人は通れなかった。
(津田柚華) 「待つしかないの?」
(川崎恵美莉)「Barを通り抜けるしかないわ」

 恵美莉が決断して、Barの黒いガラスドアから中の様子を覗き込むと、ドアがいきなり開いて、
「なんだ。まだいたの」
出てきたのはキョンシーさんだった。
(キョンシーさん) 「3人だったら、まだ楽屋で話してるみたいだけど」
(近藤彰正) 「楽屋に戻ってもいいですか?」
(鬼ヶ島さん)「どうしたんだ。みんな様子が変だよ」
(中魔神さん)「なんか騒々しいな」
(近藤彰正) 「皆さんは、楽屋での話が、何か知らないんですか?」
(鬼ヶ島さん)「あの3人、ヤバイんだな?」
(川崎恵美莉)「はい。修羅場かも」
(中魔神さん)「あれ? やっぱり?」
(キョンシーさん) 「どおりで、今日はミスが多かったはずだ」

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)