小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

「背徳の恋愛」 不倫の輪 第一話

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
名古屋市内からJR線で30分ほど東の普通電車しか停まらないローカルの駅前で私は小さな雑貨店を営んでいる。
店によくカップルで来ていた人が居た。仲良く商品を手に取って毎回ひとつを選んで買ってゆく。

今日はその男性だけが一人でやってきて私に話しかけた。

「ちょっとお話があるんですけどここで話してもいいですか?それとも閉店後にどちらか喫茶店でお話してもいいんですけど」

「そうですか。お客さんが居ないのでこちらで構いませんよ。どのような事でしょう?」

「ええ、いつも一緒に来る女性覚えていますよね?」

「はい、奥様でいらっしゃいますか?」

「違うんです。何と言いますか、彼女です」

「そうですか。お綺麗な方だと気に留めていました。素敵ですね」

「ありがとう。そう言って戴けると話がしやすいです。実は彼女の友達でボクたちの関係を知っている人が自分も彼が欲しくなってきたと言うんです。彼女からそれを聞かされまして、それならあなたがいいんじゃないのかって勝手に決めて今日お願いに来た次第です」

「ええ?ボクを紹介して頂けるということですか?」

「もちろん奥様がいらっしゃることは承知の上です。ボクも彼女もその紹介する女性もみんな結婚しているので、大人の付き合いをということになります」

「ボクを選んで頂いたのはどういう理由でしょう?」

「彼女が友達の好みに合うからだと言いましたので」

「そうですか。願ってもないお話だと言いたいのですが、ボクに紹介して頂けた彼女さんのお友達を満足させることが出来るかどうか不安です」

「それは気になさらないで良いと思いますよ。むこうの方が乗る気になっていますので」

「だと良いのですが」

「一度会うだけ会ってみてから決めてください。お休みの日は水曜日でしたね?今度の水曜日の夕方にお食事でもしませんか?」

「早いですね。解りましたその日は空けておきます」

話はまとまった。私はこんな話が舞い込んでくるとは夢にも思わなかった。
結婚して二十年、今年の誕生日で五十歳の大台に乗っていた自分に新しい恋愛が始まる?いや恋愛ではない。不倫が始まる?
どんな人だろうと言う期待と、妻にバレないようにしないといけないという不安が心の中に入り混じる。

白髪頭では恥ずかしいと思いその水曜日の昼に美容院で髪を染めた。
光が当たると茶色に見える程度のダークブラウンにしてもらった。ここの所めっきり春らしくなって厚い上着は要らないから、ユニクロでリネンの明るいカラーのジャケットを買ってその時に備えた。下はやっぱりジーンズだろう。