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シスターと物乞い 後編

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シスターと物乞い 後編

125ストリートを歩くノリータ。ノリータは次の日もあの弟である物乞いのもとを訪れた。
ノリータは物乞いに向かって、

ノリータ :あなたは愛されていたはずです…
物乞い(弟):けっ!知ったような事を言うんじゃねえよ!
ノリータ :私はあなたを愛しています。
物乞い(弟):ほう…本当か…じゃあ、証明してくれよ。

そして物乞いは銀のカップを指差した。

物乞い(弟):そこの銀のカップに汚ねえミルクがあるだろう。いつも黒人のパン屋の野郎が俺にミルクをくれやがるんだ。わざわざ日にちが経ち過ぎた、腐ったミルクをね。俺は毎日それを飲んでるんだぜ。今朝も飲んだ。たまらねえぞ。ときどき下痢になるからな。お前、それ飲んでみろ。俺と同じ生活をしてみろ。

ノリータは銀色のカップを取った。死んだ蠅がミルクの上に浮かんでいる。ノリータは思った。この物乞いは弟なんだ。弟がこんな生活をしているんだ。ノリータは蠅を取り除き銀のカップをとってミルクを飲みほした。
物乞い(弟):おい、お前、いかれてんのか?教会から来た野郎がする真似じゃなえぞ。おいホントに飲みやがった。お前みたいな奴はじめてだ。この女なんなんだ。俺と同じように汚れていいってのか?
ノリータ :あなたが望むのなら…
物乞い(弟):がらでもねえ事するんじゃねえよ。それと明日からもうここに来るんじゃねえぞ。来たら殺すからな。パンがなくたって、俺はゴミをあさって生きていけるんだ。分かったな。来るんじゃねえぞ。

ノリータはぼろ屋敷を離れ、教会に戻った。ラモーナがノリータに声をかける。

ラモーナ :シスター!大丈夫ですか?私はあなたのことが心配です。今のあなたはまるでさいなまれ、病んだ、仔羊のよう…きっとあの物乞いのせいだわ。あなたはもうあの物乞いの所へ行くべきではないわ。
ノリータ :分かっています。私の事は私自身で責任をもって行動をとっています。物乞いに食い物にされるかされないか、それで私の正義が証明されます。神は最後の結末を知っています。あなたに指示を受けるものでもないのです。

ノリータは教会の消えかかるろうそくをみた。まるでノリータの今の心をあらわしているようだ。
ノリータはまた弟である物乞いの屋敷を訪れた。

物乞い(弟):おいなんだ。また来たのか?来たら殺すって言っただろ。俺がどういう人間か分かってるのか?
ノリータ :すべての人は罪を犯したという点で同じものです。私達は平等です。今日はパンの他にチョコレートを持ってきました。

弟である物乞いはチョコレートに貪りついて言った。

物乞い(弟):俺の為につくすってのか?
ノリータ :あなたを憐れみます。
物乞い(弟):同じことじゃねえか…じゃあどうだ。ここで裸になれ。服を脱いでみろ。
ノリータ :私はイエス様に仕える身です。それはできません。
物乞い(弟):じゃあ、下着でもいい。下着姿になれ。

ノリータはためらった。物乞いの弟の目を見た。その濁った眼には小さな優しさがひしひしとノリータに伝わってきた。ノリータは衣服を一枚一枚脱いでいった。そして一枚のランジェリー姿になった。

物乞い(弟):おい、本当かよ。このクリスチャン。俺の前で下着姿になりやがった。ハッハッ。本当に俺のいう事ききやがんだな。おもしれえや。こりゃあいい。そうだ。このままお前、人質になれ。お前みたいないかれた野郎を踏み台に大金を手に入れてやる。こんな生活とはおさらばだ。いいか。この縄で今からお前を縛り上げる。背中の後ろに手を回せ。お前を人質にする。

ノリータはいう事を聞き人質になった。

物乞い(弟):お前ホントにいかれてやがんな。何でもいう事を聞きやがる。クリスチャンてのは偉くなればなるほどいかれるのか?
ノリータ :私にふりかかる災いは神が与えた試練
物乞い(弟):けっ!何言ってやがる!自分が置かれている立場を分かっているのか?下着になって縄で結ばれていい眺めだぜ。
ノリータ :少しでも心が安らぎましたか?
物乞い(弟):心が安らいだ?…そりゃあ…って今お前が置かれた状況分かってるのか?このいかれた野郎。何でおれの為にこうもする。何か企んでいるのか?仲間が近くにいるのか?
ノリータ :私はあなたを欺くような真似は絶対しません。御心をもって…
物乞い(弟):じゃあ、どういう訳だ。お前人質になって死ぬかもしれねえんだぞ。分かってんのか?お前の目的はなんだ?どうしてこうまでする?お前は一体何者だ?
ノリータ :私は…

ノリータはためらいながらも言った。

ノリータ :私はあなたの姉です。ノリータです。あなたはフィーリップね。フィーリップ・エリントン。
物乞い(弟):何だと…
ノリータ :施設は違いましたが、私達は生き別れした兄弟です。
物乞い(弟):お前が…いや、あなたが姉さん?
ノリータ :あなたの紙の住所をつてにオフィスワードで調べ分かりました。

物乞いは目をまん丸くして驚いた。
そして物乞いはノリータの縄をほどいた。
ノリータは立ちあがった。弟はしばらく考え事をしている様だった。随分、長い間考え事をした。

物乞い(弟):服を着ろ

ノリータは服を着た。

物乞い(弟):ようく顔を見せてくれ姉さん

物乞いはノリータの顔を見つめた。

物乞い(弟):姉さん…

二人はハグをした。

物乞い(弟):もういい。いってくれ。姉さんの気持ちはよく分かった。
ノリータ :でも…
物乞い(弟):またくればいい。あと姉さん俺もいっぱしの市民になりたいんだ。だからハンコを作ってくれ。どこかの保護施設でも暮らせるように。俺の名前はフィーリップ。フィーリップ・エリントン。
ノリータ :分かったわ。ハンコね。フィーリップ。それと市民権も獲得しとくわ。

そしてノリータはハンコを作り、オフィスワードに行って弟の市民権をオフィスワードで獲得した。しかしフィーリップの市民権を獲得したとともにノリータにある事をオフィスワードの職員から告げられた。

職員   :エリントンさん。あなた方、兄弟にはお父様がいました。そのお父さまは亡くなりましたが、お父様には多額な借金がありました。あなた方はそれを継がなくてはいけません。
ノリータ :そんな私達は施設に預けられたのですよ
職員   :そうでしょうが…
ノリータ :いくらなんです?その借金は?
職員   :800万ドル位で…
ノリータ :そんなのとても払いきれない
職員   :あなたの教会の物品は売れないのですか?
ノリータ :私の所有するものではないので…
職員   :とにかくお金は少しづつでも払ってもらいます

ノリータはオフィスワードを離れ弟のもとにいってハンコを渡し、市民権を獲得したことを告げた。しかし借金の事は言わなかった。
その後、教会には毎日のように借金の請求書の手紙が届いた。ノリータは毎日頭を抱え、悩むしかなかった。

ノリータ :本当にどうしよう…シスターの資格はもちろん捨てるしかないわ。
ラモーナ :そんなシスター

ラモーナは涙を流しながら言った。誰もが涙を流した。

ラモーナ :シスターの資格を無くすなんてそんなのありえない。私達で何とかできないの?