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からっ風と、繭の郷の子守唄 第76話~80話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(76)
「居酒屋家業は人を酔わせペラペラ喋らせてこそ、なんぼの世界」

 「女性の持ち物と洋服の特徴は、良くわかった。
 でも人物像が、いまひとつはっきりしない。
 容姿や顔の特徴といった、個人を特定する情報はないのかい」

 お湯割りを準備しながら、康平が貞園へ問いかける。
(そう言われてもなぁ・・・・)、正面から女性の顔を確認していない
貞園が、返答にいき詰まる。思わず、小首をかしげる。


 「髪は極端に短い、ベリーショート。
 身長は155センチくらい。
 歳はたぶん30前後。残念ながらまだ、正面から顏は見ていません。
 見るのは、横顔か背中姿ばかり。
 初めて見かけた時。なぜか康平のお店から出てきたような気がするの。
 気になって注目していたら、今日は、2度も遭遇しました。
 女はいつも決まって、このあたりを中心に出没するの。
 心当たりがないの?。康平には」