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口 ~生死をかける討論会?~

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司会:理解力のある人達でよかったです。それでは決めてください。

[暗転]


【4.海本過去】
司会:順番が決まったようですね。
海本:はい、私の過去から見てもらいます。あまり見てほしくはありませんが…。
司会:それでも見てもらわなきゃいけないんです。それではいきましょう。チュウシエン コウチー!

[暗転]

『仮配役…美来(大空)・藤崎先生(川島)・海本母(山崎)』

[ピアノを弾いている]

海本:よし!今回のコンクールも頑張るぞー!
美来:先輩!今日の演奏も上手でした、さすがですね!
海本:へへん、十八年間ずっとやってるからね。当たり前よ!
藤崎:自身を持つのはいいが、浮かれすぎないようにな。
海本:藤崎先生、わかってます。だってまだまだ直さなきゃいけない所ありますからね。
藤崎:ほう、ならそれはどこだ?
海本:例えばこの小節のこの音がまだまだ…

藤崎:わかってるじゃないか、成長したな。
美来:藤崎先生が褒めた!先生、もう一回言って下さい、録音しますので。
藤崎:そんなことをする暇があるなら、お前はもっと練習しろ。
美来:はーい…、
海本:頑張ってね、美来。応援してるから
美来:先輩…、ありがとうございます!
藤崎:おっともうこんな時間か、もう遅いからお前達帰れ。
海本:わかりました、お疲れ様です。さようならー。
美来:さようならー。

[暗転]

海母:今日もレッスンに行くのね、無茶しないでよ?
海本:大丈夫だよ!またコンクールで賞取るからね!
海母:ふふ、本当に頑張り屋さんなんだから。あ、今日雨降るらしいから傘持って行きなさいよ。気をつけてねー。
海本:わかってるー!いってきまーす!

[暗転]
[雨SE]

海本:ふふ〜ん♪今度のコンクールが終わったら、来週にコンサートがあってー…
[急ブレーキSE]
海本:え
[暗転 救急車SE]

海母:胡桃…、大丈夫?
海本:お母さん、大丈夫よ。すぐに完全回復してピアノ頑張っちゃうんだから!
海母:あのね…、落ち着いて聞いてね…。
海本:どうしたのお母さん。
海母:もう胡桃の手…、ちゃんと動かないんだって…。
海本:え?何言ってるの?ほら今だってほら、こんな風にちゃんと動いてるじゃない、大丈夫よ、弾けるよ。
海母:胡桃。
海本:そんな…嘘よ。いやああああああ!!


山崎:事故で…手が。
海本:はい、その通りです。ある程度は動くんですが、ピアノは弾けなくて…。
川島:手に職を持っているやつなら、絶望的だな。
大空:ピアノの先生になればよかったんじゃないの?別の職に就くとか。
海本:なれたからって何ですか?今までみたいにピアノが弾けるんですか?この思い道理に動かない手で、ちゃんと生徒に教えてあげれると思います?
大空:そんな風に言わなくてもいいでしょ…。
山崎:プライドが高いんですね…。
海本:ご、ごめんなさい。どうしてもこのことになると熱くなってしまうんです…。
川島:でも大空くんのいうとうりだと思うぞ、ピアノが弾けなくても教えればいいだろう?。
海本:私は自分で弾きたいんです、自分で弾かなきゃ意味ないんです。
大空:…でも、独りでやってきたわけじゃないでしょ?親とか、先生とか後輩とかいたんでしょ?
海本:だから何なの?貴方に何がわかるの?私にはピアノしかなかったの、ピアノの弾けない私なんて意味がないのよ!まだ何も知らない高校生のくせに出てこないで!
山崎:海本さん、言い過ぎです。
大空:いいんです、事実ですから。
川島:海本さん、落ち着きなさい。簡単に言っちゃいけない言葉があるのは君も大人なんだからわかるだろう?
海本:…ごめんなさい。
大空:…。
司会:タイムアウトー、次の過去にいきましょうか。
川島:早くないか?
司会:時間がないんですから仕方ありません。どなたですか?
山崎:私です。お願いします。
司会:わかりました、それではチュウシエン コウチー!
[暗転]


【5.山崎過去】
[山崎デスクワークをしている 机上に大量の書類]
山崎:はあ…。
課長:山崎くん、この資料まとめておいてくれ
山崎:わかりました。
君島:山ちゃん、今日どうしてもはずせない用事があって…、これやっといてくれない?
山崎:仕方ないなぁ…、じゃあ今度何か奢ってちょうだいよ?
君島:もちろん!ごめんね、ありがとう!
夏川:先輩、これどうやって書いたらいいんですか?
山崎:これはこうやって、ここをこう書けば…


課長:先に上がるよ山崎くん、頑張ってくれ。お疲れ様
山崎:はい、お疲れ様です。
夏川:先輩、私も上がりますね。お疲れ様でーす!
山崎:はい、お疲れ様。


山崎:疲れた…、死ぬ…。朝六時に出勤して九時まで仕事して残業して…。まだ仕事残ってる…、もう何も食べる気力がない…。


川島:過労、か?
山崎:そうですね、まだまだかと思ってましたが少し働き過ぎたようです。
大空:周りの人に手伝ってもらえばいいのに。
山崎:私の部署人が少なくて…。
海本:だからこそ協力するものでしょ?言ったの?
山崎:言ってません、ただでさえ皆の仕事多いのに私だけ手伝ってもらおうだなんて…。
川島:皆の仕事が多いって言ってる割には、課長さんも後輩の子もちゃんとした勤務時間に帰ってるけどな、同僚の子も。
山崎:でも…ねぇ…。
大空:うちのクラスの奴らと一緒だね、嫌なこととかめんどくさいこと全部人に押しつけようとする。
山崎:…同じにしないで
海本:何か?
山崎:いいえ、なんでもありません。
司会:皆さーん、時間が押してますのでそろそろ次の方に参りますよー。
海本:なんか本当に早くない?とんとん話が進んで行ってる気がするんだけど…
司会:時間と、過去への意見は意外と早くつけられるんです。「あのときあすればよかった!」とかあるでしょう?それと似たようなものです。それで、次の人は?
大空:私よ。
司会:わかりました、それでは参りましょうチュウシエン コウチー!



【6.大空過去】
大母:じゃあみっちゃん、後片付けお願いね。私仕事に戻らなくちゃ行けないから。今日もお父さんとお母さん仕事で帰ってこれないからね、戸締まりとか火に気をつけるのよ。
大空:わかってるよ、いってらっしゃい。



大空:はぁ…


[クラスざわつきSE 大空と同級生A・Bは離れたところにいる]

同男:あ、大空。今日も独りだな。
同女:当たり前でしょ、全然喋らないし、あの無愛想な顔。避けられるのは当たり前よ。
同男:まあそうだよなー、よく言ってクール?
同女:クールにもならないっての、ただのぼっちだよぼっち。中学校の頃かららしいよ。
同男:マジで?正真正銘のぼっちだな。
同男・女:(笑う)


大空:もういいでしょ!



司会:あらら、まだ途中なのに。
大空:もういいって言ってるでしょ。
司会:本当に怖いお嬢さんだ。まあいいでしょう。
川島:でもなんでこれで死んだんだ?
大空:…はあ?
山崎:川島さん…!思春期の女の子なんですから何を思ったかわからないでしょう…!
川島:お、おう。そうだな。
海本:複雑な時期よねー。