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エースを狙え

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春季キャンプ in 鬼コーチ


    午前7:00


俺が起きる前にナツさんは起床した。
そして知らぬ間に机の上に置いてあった俺のメモ帳を盗み見して一言。


「意外と早く上がって来るかもな、こりゃあ…」


と呟いて出て行った。行った場所はもちろん天福球場だ。
俺はというと30分後に起き、シャワーを浴びて、食堂でご飯を食べてから天福球場へ入ったのが8時頃だった。
ナツさんは立華とキャッチボールを既にしていた。
俺は先にストレッチを入念にしてからランニング、ダッシュ、体幹トレーニングと基礎的な事を順番にし終えてから、童宮さんがキャッチボールに誘って来てくれたので「是非」とお願いした。
そういえばキャンプから一週間過ぎて変化が出ている事に気付いた。
ルーキー達は俺も含めてだが、ほとんど同部屋の先輩選手とではなく違う先輩と組んで練習をしている。そして人が減っている事に気付いた。
あの紅白戦は最初の見極めだったのだ。
一軍キャンプに残ったのはルーキーでは、俺と立華の二人だけだった。その他は皆、二軍行きとなったのだ。そして二軍は球場が変わる。二軍行きとなった選手は昨日の休日の朝に知らされ、千葉の山奥にある名も無い球場へ飛ばされる。これは毎年恒例の事であってその選別に容赦はない。
とにかく一軍キャンプに残れたとはいえ、練習はさらに厳しいものとなった。立華はずっとナツさんにベッタリだったが、俺はずっと一人で基礎連を繰り返していたのでコーチに目を付けられた。


「基礎連か、佐熊。実に感心だ」


鬼の守備コーチと呼ばれる世津コーチだった。


「最近の若い者は基礎練など必要ないと甘い事ばかり抜かしているから全く成長の欠片も感じられんというのに。それが終わったらちょっと守備練に付き合ってやろうじゃないか!」

「え、あ、その!」

「そうか、そんなに嬉しいか!」

「よし!じゃあまず軽いジャブから!500本ノックだ!!」

「マジか…」


鬼だ…。
しかも500本ノックを軽いジャブだと言っている。
やばい、可笑しい…基地外だ……。
そう思った時には既に遅く、死ぬほどキツイ守備練習が幕を開けた。
作品名:エースを狙え 作家名:本宮麗果