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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第十六話

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「誰とでも?それはないよ。信頼できる相手でないと無理」

「信頼できる相手は旦那さんだけだよ。よく考えてごらんなさい」

「登志子、私は努力したのよ。自分から夫に求めて優しく接すようにした。夫も終わってから手で慰めてくれるようになったし・・・でも、肝心なところはそのままなの。もうあの人には無理だと思えてきた」

「まあ、なんていうことを。直樹さんちょっとは頑張ってくれているんじゃないの。あなたが気長く待ってあげないとせっかく仲良くなった関係が壊れるよ。何度も言うけど大切なことは夫婦の関係よ。私みたいに気持ちが離れたら離婚して辛い気持ちになるのよ」

「自由になれて良かったって言ってたじゃない?私は束縛されているのが幸せだと見えるの?」

「束縛なんてされてないでしょ?仕事にも行けているし、家族に大きな問題もないし。あなたはお嬢さんだから、贅沢病にかかっているのよ。世間では姑の介護や、年金暮らしでお金に困っている夫婦もいる。今の暮らしを捨ててまで自分が満足行くパートナーを探せるとは思えないよ」

「新しいパートナーを見つけたいなんて思ってはいないよ。夫が叶えてくれないなら死ぬまで我慢しろっていうことなの?」

「そういう気持ちも十年もすれば無くなって収まるよ。その間に仕事で稼いだお金を使って遊べば楽しく過ごせるよ。私たちと旅行にでも行こう。カラオケもいいしね。男の人ってあなたが思っているほど楽しませてくれるっていう保証はないしね。ただ遊ばれて気持ちに不信感とか芽生えて今より萎えることだって考えないと。違う?」

「それはわかるけど。家庭を壊す気持ちは無いから、考えたら身勝手よね。それも解るんだけど、なんだかもやもやが消えないの。自分で慰めることもあるのよ。どうなってしまったのかしら私って・・・ほんとうにこんなんじゃなかったのに」