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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「妖刀正宗の復習」 第三話

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そう叫ぶと部屋から出ようとするが足が動かない。みよという女はゆっくりと近づいてくる。手に持った正宗は上段に構えられていた。

「た!た!たすけてくれ・・・ぎゃあ~」

左の首を深く斬りつけられた担当員はその場に倒れて絶命した。
辺り一面血の海と化した美術館の床には過去のすべての事件と同じように傍に正宗が落ちている状況になっていた。

この事件は担当員の自殺ということで片付けられたが、再発を恐れた館長は霊媒師立会いの下、元の桐箱に正宗を収めて倉庫に仕舞い込んだ。

一部の美術所員からは自殺ではなく呪われた妖刀によって殺されたという噂が広まっていた。こうなるとますます刀を見たくなるのが人間の心理だ。
しかし、多くの誘惑を跳ね除けながら二度と美術館で展示公開されることはなかった。

そして再び時は流れた。
昭和二十年三月中旬、この月の九日にアメリカ空軍B29による大量の焼夷弾で焼け野原になっていた東京市の下町に一人の老人が何かを探して徘徊していた。
美術館の焼け跡にその日から毎日毎日足を運んでいた。
見つけたようだ。

「あった!やっと見つけたぞ・・・」

それはあの封印された妖刀「正宗」そのものであった。
焼けこげてはいるものの桐の箱の中身は被害に遭っていないと思われた。

「ここで開封してはならぬから、持ち帰って保存しておこう」

その老人は明治の忌まわしい事件のあった日に一緒に居た美術館員の一人だった。彼は呪われている小刀であるとずっと思ってきたから、開封しようと思わなかったのだ。
見知らぬ者の手に渡って持ち去られることが不安に感じていたので真っ先に探しに来ていたのだ。
誰にも見つけられないようにぼろ布につつんでその場から立ち去った。