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optatio

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【optatio】




 匂いと言うのは実に奥が深い。

 例えば、煙草。
 きみが喫煙者でなければ、不快だと判断するのではないのかい?

 だがもし恋人が喫煙者なら。
 街で同じ匂いを嗅いだだけで幸福な気持ちを覚えるだろう。

 もし家族に喫煙者がいたら。
 その匂いを懐かしく思うかもしれない。


 君はそれだけ言うと目を伏せた。
 白磁の肌と黒曜石の瞳と硝子の声を持つ君に、匂いは似合わない。


 僕はポケットから煙草を取り出した。
 ぷかり、と白い煙がドーナツ型に消えるのをひとしきり眺める。
「思って、みたいの?」
 意地悪な質問だっただろうか。ちらりと僕を見た君が拗ねたように目をそらす。

 ふふ。
 どの人間よりも精巧に優秀に、と作られた君が、そんなことを思っているなんて。



作品名:optatio 作家名:なっつ