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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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あらまぁ~、立たせれていた…。

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読もうとすると、“読むのではなく…。”と感じた。
なので私は読まずに本のページをパラパラめくって行った。
すると上が、
“そこっ!!”
という感じで私を止めた。
その中の文章をざーっと読んでみた。
たくさんモーセという文字が書かれている。
その中に、“神とモーセに信仰を…。”と書かれていた。
すると上が、
『ねっ、バカでしょ?!そんなこと書いちゃいかんと私は再三以上に言ってきたのに…、たくさんの人から崇められたり海の水が割れたりしたら、自分に力があると思ってしまったのかもしれませんね。…私はそんなモーセに、“死んだ後に罰があるよ。”と言っていたんですけど、“分かってます、分かってます。”と軽くあしらわれていました。なので、モーセはあの場所に立たされているということですね。この状況を見た者があの時私に、“モーセに天幕を。”と願ったので、まだ荒野に立たされてはいますが、苦しみや辛さはもうないのでしょう。でも、モーセのしたことはまだ今の時代も続いているので、未だに立たされているということになりますね。自分のしてしまったことがどのくらいその後の人たちに、影響を及ぼしてしまったのかを見届けなければ、モーセの裁き…立たされていることですね。それは終わらないということですね。…モーセ頑張りなさい。』
と言った。
私は聞いていて、立たされているモーセに仕方がないと思った。
すると声が聞こえた。
『神に…怒られました…。』
と…。
えっ?!まさかモーセの声?!と私が思ったら、
『モーセです。』
と言った。
あんなこと書くからだよ~と私が思うと、
『はい。書いてしまいました。』
と罰が悪そうに言った。
お母さんに教えなきゃ~と思い私は電話した。

今の話をお母さんに伝えると、
『あらまぁ~。自分に信仰を置くようにって…、あらまぁ~…。神じゃないのに…。バカだね~。』
と言った。
『お母さん、お母さん、モーセが、“お母さん、書いてしまいました。…ごめんなさい。”って言ってるよ。』
と私は伝えた。
『えーーーっ!!お母さんに謝られてもどうしようもないよ~。モーセがそう言ったの~?!でも自分がしたことだから…。』とお母さんは困っている。
『お母さん、モーセが、“はぁ~、お母さん、ごめんなさい。…神が救ってくれました。”だって。立たされてるのに…。バカだね~。』
と私は言った。
『神が救ってくれた~?!意味が分からない。…ねえ、モーセってエジプトの人を救い出したかなんかの人でしょ?!海が割れてそこが道になってって宗教で教わったけど、あれって本当のことなのかなぁ~。』
とお母さんが言ってきた。
『私はそういうこと知らない。お母さんから聞いてるだけだから…。“気持ちよかった~!!”ってモーセが言ってるよ。』
『えーーーっ!!気持ちよかった~?!』
とお母さんは言うと大きな声で笑い出した。
そんなお母さんにモーセが、
『はい、とても気持ちよかったです。自分には力があると勘違いしてしまいました…。』
と言ったらお母さんがもっと笑い出して、ひとしきり笑ったら、
『なんだかモーセが可愛いくなってきた。今まであれこれ言ってきたけど、…お母さんもそういうところがあるから…。さぞ気持ちよかったでしょうね~。』
と言ったら、モーセが、
『はい、気持ちよかったです。またしてみたいです。』
と言ったら、お母さんが驚いて、
『またしてみたい?!そんなこと言っていいの?!』
と言ったら、
『お母さん、モーセの横に上がいる…。それで、“バカタレ~!!”って言われてモーセが小突かれた。ウケる!!あっ、小突かれてモーセが、“神に怒られました…。”だって。』
と私は伝えた。
『あ~…、お母さん笑えなくなった…。たぶんお母さんもモーセのように上と話してたら同じようなことをしてたと思う…。はぁ~…。なんだかモーセを身近に感じる…。モーセちゃん!!』
なんて言い出したから、
『モーセちゃん?!何考えてんの?!神様にしたらダメって言われてたのに、神様に反したんだよ!!そんなことするような人にちゃん付けなんかしなくてもいいよ!!ずっと立たされてるのに反省の色なしだよ!!』
と私は言った。
『ううん、お母さんもたぶんそうなるから…。神様に反するって言われると怖いけど…、でもお母さんからしたらモーセちゃんなの…。だからあなたなんだと思うよ、上が話しかけたの…。お母さんはすぐに信じてしまうもん。…でもずっと立たされているのね。何年くらい立たされてるのかなぁ?』
『何年…?!知らないよ。あっ、上が、“あれ以来ずっとですから…、人の歴史ではモーセについてどのように書かれていますか?三千五百年ほど前なのであれば、大体そのくらい立たされていますね。まっ、キリストが人として生まれた時にはもう立たされていたので、少なくても二千年は立たされているということですね。”だって。二千年かぁ~。長い!!』
『はぁ~、そんなに長く…。それでもモーセは変わらないのね。お母さん、そうならないように気を付けよう。』
『お母さん、上が、“宗教の人たちはモーセのようになってはいけませんと言っているのは、こういう事なのかもしれませんね。でも宗教の人たちはモーセが立たされているということまでは知らないのでしょう。それと、私は拭い去ると約束はしていますが、悲しみや苦しみを忘れ去らせるということであって、性格を変えてあげますという意味ではありませんよ。なのでモーセは相変わらずあんな感じなのですね。”だって。』
と私が伝えるとお母さんから深いため息が聞こえて、
『そっか~、性格を変えるわけじゃなくて、悲しみや苦しみとかの記憶のことね…。そういうことかぁ~。また新たに知った。』
とお母さんは染み染み言った。

それ以来、モーセのことを思い出すと荒野に立たされているモーセを見る。
そしてそのモーセに時には、真っ直ぐ前から睨みつけるように、
『誰のせいでこんなことになったんでしょかねぇ~。何で、そこに立たされているのかなぁ~。自分のしたことを心から反省してないのかなぁ~。』
なんていうことを私は自分のことを棚に上げてそう言う。
モーセから、
『…はい。…あいちゃん(仮名;私)ごめんなさい。…でも崇(あが)められると気持ちがいいのです。…ごめんなさい。』
と言われる。
私は心でバカじゃなかろうかと思う。
そしてモーセにまた謝られる。
私に謝っても仕方がない。
そんなことをお母さんと電話で話している時にでもあれば、モーセはここぞとばかりに、
『お母さん、お母さん、あいちゃん怖い。あいちゃん嫌いです。でもモーセは、お母さんの事は大好きです。』
と言うので、私はお母さんにそれを伝える。
お母さんは心からモーセの言葉に肯き、
『はい、お母さんもあいちゃんがとても怖いです!!でもモーセちゃんの事はとても好きです。』
と言う。
その言葉にモーセが笑って、
『はい!!』
と返事をする。

そんな繋がりや会話を上は聞いて、ニコニコと肯きながら、