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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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したことは返ってくる。

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[上];『宗教の方々は、人生を掛けて全力で人を救おうと頑張っているようですが、事故を起こしてしまった側の気持ちに福本さんが立ったのなら、そのお金は自分が受け取らずに宗教の寄付箱に入れるか事故を起こした人にあげるか…そのようでなければいけないと私は見ていて思いましたね。宗教の方々は欲がないのであれば、そのような行動が出来るということを私は上から見ていて学んでいますが…。どうしてでしょうか、このような行動を取れる方はいないのでしょうか…。』
と言った。
私は寄付するとか相手に上げるとか絶対に無理だ。
[上];『そうでしょうそうでしょう。それがあいちゃんの素直な気持ちですね。それで良いと思いますよ。』
と言う。
それを聞いてお母さんが大きな声で、
『お母さんも十万円なんか寄付できません!!自分のために使います。』
と言った。
お母さんうるさいっと私は思った。
[上];『そうですよね。なかなか人のために出来るもんじゃないですよね。思ってもいないのに人のためにするということは自分にウソを付いているということになりますね。それが良いことだと思うのであれば、そういう考えの人もいるということですね。でも私は本当に人を助けたいと思う心からではないと助けることは出来ないと思いますよ。では福本さんのその一連の話ですが、何処に人のためにした行動があるのでしょうか…と私は考えます。』
と言った。
私は考えた。
お母さんは黙っている。
私は私なりに思ったので自分の言い分を言った。
『お母さん、たぶん…、福本さんの行動そのものを見て、このような人間になってはいけませんよっていう戒めを知れたことだと思う。本人はそのつもりないかもしれないけど、そのおかげでしちゃいかんなっていうことを改めて分かった。それは…感謝になるのかなぁ~。』
と言った。
お母さんは腑に落ちず、
『そうかなぁ~。でも人の振り見てって言うからねぇ~。そう考えると…感謝っていう言葉は違うと思うけど、勉強させられたなぁ~とは思うかな。それよりも福本さんどうなるんだろう…。』
と言った。

それから数ヶ月後のこと。
お母さんからいつものように電話がかかった。
電話に出るとお母さんが慌てていた。
『ちょっと聞いて~!!福本さんから電話があって、事故起こしたって。福本さんが前の車にぶつけたみたいで、結構派手にやったみたい。』
と言った。
『えーーーっ!!あんなこと言うからだよ~。バチが当たったね。』
と私は言った。
『それが、お母さんね、あなたが神と話してること福本さんに言ってたでしょ。“それはサタン、サタン!!サタンの仕業だから離れなさいっ!!”って言われて、全く聞く耳持たずだったでしょ。それで福本さんに、“こんなことになったのも全部あなたのせいよ!!サタンなんかと話をしてるからこんな事になったじゃない!!”ってその事故をお母さんのせいだって言い始めちゃって…。それでお母さんも頭に来たから、言いがかりはやめてっ、前方不注意だったのは私じゃなくて福本さんでしょ!!って言ったの。そしたら、“あいちゃんがいけないのよ。あいちゃんがサタンなんかと話すからこんなことになったんだからね!!どうしてくれるのっ?!”って言うから、お母さん、あいちゃんはもっと関係なーいって言ったの。結局、“こっちのせいだっ。お金は自分が出さなきゃいけなくなった。”とか言いながら切られた。』とお母さんは頭にきながら説明した。
まさか私の名前が出るなんて…怖くなった。
『もしかして、本当に上が出て来たからこんなことになった…とかはない?!』
と私は聞いた。
『いいえーっ、それは絶対違う!!結局は同じことなのよ。この前の事故も相手は今回の福本さんのように自己責任を負ったの。今回の事故も福本さんがこの前の事故を起こした人の立場になっただけ。でも福本さんは言ってたでしょ。神からの祝福があって十万円入った。だから神に心から感謝したって。だから今回は相手に神からの祝福があったのかもよ。』
とお母さんは腹を立てながら言った。
すると上が出て来て、
『そうですそうです。お母さんその通りです。したことは返ってくるのですね。福本さんはお母さんに電話をしてくるより、相手の体の心配をするべきだと私は思いましたが…。ただ、そこに私からの祝福はありませんが…。福本さんに十万円入ったようですが、相手が入っていた保険がその金額だったのだと思いますよ。そして今回発生する金額も同じことなのではないのでしょうか。そして、何処にお母さんやあいちゃんが事故に関わっていたのかの説明もして頂きたいですね。サタンと一言で終わるのではなく、みんなに疑問を持たせたままではなく、みんなが納得する説明をするべきだと私は思います。』
と言った。
『そうよね~。でも福本さん、説明なんて出来ないわ。だって自分の責任を人に押し付けてるだけだから。』
とお母さんは捨て台詞のように言った。
[上];『そうですね、お母さん。その通りだと思いますよ。』
と上がお母さんを褒めたので、お母さんから嬉しそうな声が漏れた。
[上];『なのでお母さん、夜更かしばかりは体によくないので、ちゃんと睡眠を取らなければ、いずれ体が大変になるかもしれませんね。まっ、そうなったらなったでそれも私ではなく、お母さん、自分の行いから来た何かですね。したことは廻りまわってどんな形であれ返ってくるようになっているのかもしれませんね。』
と言うと、お母さんから、
『あっ、…はい…。』
と小さな返事が聞こえた。