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白久 華也
白久 華也
novelistID. 32235
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SS珍事件

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うん、って



入口で止まって、なかなか入ってこないお客様。
こういう方はけっこういる。

「いらっしゃいませ、レギュラーですか?ハイオクですか?」
客「…。」
ニコニコと見つめ返してくるだけで、返事がない。
こ・・・困った。
「レギュラーでよろしいでしょうか?」
客「うん」

しばしばこういう場合に、後からハイオクとか言い出す輩が結構いる。
念のため、ハイオクもレギュラーも給油できる場所にご案内。

「ご注文は?」
「うん」
「レギュラーを(どれだけ入れるのかという意味で聞いているのだが)?」
「うん」
「満タンでよろしいでしょうか?」
「うん」
(とか言っといて、後から20リッターとか言い出す輩がいる。大丈夫かな~?)


「お支払いは?」
「うん」
(え~? この問いにも?)

中には聾唖の方とか、声帯を切除した方もいらっしゃるが、そういう問題を抱えているようには見えない。

「現金でよろしいですか?」
「うん」
(お願いだから、後からクレジットカード出さないでよー)


不安いっぱいで、レギュラーを満タンにし、


「お待たせしました、○○円になります」
「うん」
客はニコニコと「うん」しか言わない。
動こうともしない。
まさか、実はお金持ってないとか???
困った。。。もう一度、

「○○円になります」
「うん」

ニコニコと、
ゆっくり、動き出す。
おもむろに、車を降りて、後部座席の上着のポケットから、1万円札を出す。

やれやれ、やっとお会計にこぎつけた。

ニコニコと、ゆっくりゆっくり、お釣りを受け取り、
「ありがとう」
と言ってゆっくりゆっくり帰っていった。



なんだ、「うん」以外の言葉もしゃべれるじゃないか。
ニコニコするのは、いいことだと思う。
いい人なんだと思う。

でもねえ・・・

疲労困憊、脱力。

作品名:SS珍事件 作家名:白久 華也