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宝の地図

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寅 宝の地図



 結局紙切れ以外には特に私の興味を惹くようなものは見つからず、あれこれと中にあるものを把握する作業をして蔵から出てきた時には日差しが幾分かましになっていた。私とおじいちゃんはお互いに埃まみれになった姿を見て思わず吹き出した。
「こりゃあ、久子さんに怒られてしまうな」
「そうだね」
そのまんま家に入ったらお母さんに絶対に怒られる。そう考えた私たちは裏のお勝手から入ろうとすると運悪く先に家に帰ってたお母さんに見つかりこっぴどく叱られた。おじいちゃんは私をかばってくれたけど、結局はおじいちゃんも私の横に並んでお母さんに叱られた。
 私は金庫から発掘してきた「お宝」を大事に机の上に置き、お母さんに言われるままにまずはシャワーを浴びた。横でお母さんがブツブツ言いながら私の制服を洗濯してる声がお風呂の中から聞こえた。
「もぉ、麻衣子ったらどうしていつも元気余ってるのかしら……」
お母さんのブツブツは私に聞こえるように言う「何でお母さんは聞こえるように独り言を言うのかしら」って言おうとしたけど今日は止めた。そんなことより早くあの紙切れが何なのかを見たかった。

 私はお風呂から上がり服を着替えると、真っ先に部屋に駆け込み、長い眠りから解き放たれた一枚の紙切れを眺めた。蔵の中では気付かなかったけど、紙は古い匂いがして、紙質は分厚くて固い正方形でところどころ黄ばんでいる。
 紙にはおそらく墨をつけた筆で図が書かれている。少し雑な感じもするけどそれが地図であるのは私にもわかった。

   紙の上の方には二つの山
   中央には縦に川が流れ、
   横には海岸線沿いに道があり
   下の方は多分海だと思う
 
   右の山には木が一本だけあり
   そのすぐ下途中まである線は線路かな? 
   左の山の中腹まで道があり
   行き止まりには×の印がついている

 紙の裏には縦書きの文章で、
   文丗日ノ日沒 川ノホトリノA 

と書いてあった。達筆なのかそうでないのか、私には読めず、意味もわからなかった。私にとってはこれはもはや暗号で、いつ頃、どこを、何のために書かれたものかは私には全くわからなかった。
「これって、もしや……?」
 開かずの蔵の開かずの金庫から出てきたこの一枚、これは宝の地図に違いない。私はそう思うと、心臓がドキドキしてきた。

作品名:宝の地図 作家名:八馬八朔