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ヤマト航海日誌

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そう叫ばなきゃ変じゃないの? 冥王星にクラゲ程度の生物がいても、いやそれどころか、地球人の人質を百万ばかり取ったとしても〈ヤマト〉は構わず撃つものと思うくらいでなきゃおかしい。一日あたり何千万も死ぬのだからこのさい天秤にかけるしかなく、人質は人質として役に立たない。波動砲なんてものを突きつけられたらどうしようもないんだから、シュルツにはみっつの選択しかないのである。箇条書きに上げよう。


1.黙って波動砲に撃たれて死ぬ。

2.降伏して「もうしませんコスモクリーナー代わりにもらってきますから許してください」と言う。

3.基地を捨てて全員で逃げる。


このみっつだけだ。〈4〉の『反射衛星砲を使って〈ヤマト〉を迎え撃つ』はない。沖田と古代があんな精神異常者でなければ、南部の正しい意見に従い波動砲をドカンと一発。シュルツにいかなる対抗手段も取りようなんてないんだから。〈4〉はそのまま〈1〉を選択するのと同じなのである。

なのにぜんぜんそう思わないでやんの……そう、おれは〈ぶっちゃん古代〉よりむしろシュルツのバカぶりにテレビを見てあきれたのだ。

シュルツの頭がマトモなら選択は〈2〉か〈3〉、まあふつうは〈3〉だろう……こう考えたとき、波動砲を使わずに冥王星で戦う話をちゃんとやるならどうするかの案が浮かんでね。でもバカらしいから放っておいたんだけど、『あたま山の花見』って落語みたいにその種がやがて芽を出しグングンと頭上で枝を広げやがってしょうがないからこの投稿を始めたわけです。やっぱくだらんと思いながら……それがこの〈カミカゼ特攻〉をおれがやっている理由さ。



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之