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ヤマト航海日誌

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そうやってふたり殺せば三人目のやつが、「ヒ――ッ!」と泣いて小便を漏らし、「お金を持ってきます」と叫んで金庫室に走ってくれる。カネを掴んで店を出るまで全部で二分とかからない。

もしたまたますぐ近くに警官のひとりやふたりいたとしても大丈夫だ。ズドンとやれば逃げられる。

太平洋戦争中、米軍兵士の八割方は、銃剣を手に突っ込んでくる日本兵に対して銃を撃てなかったと言われている。撃たなければ自分が死ぬとわかっている状況なのにだ。ガダルカナルや沖縄や硫黄島でさえそうだったのだから、今の日本の警察で、君に対して銃を抜き撃てる者なんかいるわけがない。

後は〈三億円事件〉とか〈世田谷一家殺害〉と同じでまず迷宮入り。だから日本を出る必要はない。銀行強盗は拳銃がありそれで何人も殺せるのなら、この日本で失敗なんかむしろするはずないと言える犯罪だ――いや、もちろん100パーはないし、一度に獲れるカネはせいぜい一千万。このテでやって捕まったらまず死刑は免れまいから、それでいいならという条件付きだが。

しかしやっぱり、なるべくならば人を殺さず傷もつけずに目的を達成するのがよりカッコいい。おれが〈ハーメルン〉のコメントページで、ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』の話をしたのは実は宣伝が目的だった。『クラップ・ゲーム・フェノミナン』は、「今回は誰も死なずに済んだけれども次はどうなるかわからんぞ。犠牲が出ぬうちに要求を呑め」との脅しをしてくるタイプのテロリストと、主人公の銃を抜いて人を殺せる訓練を受けた警察特殊部隊員が戦う話だ。原稿用紙で800枚。文庫本なら500ページの長編で、ここに出したのはその冒頭八分の一程度。

君らの中にはそれを知ってる者も何百もいるわけだがね。まさか〈DLマーケット〉が復旧ならずとなるとはなあ。いや、なんかそうなりそうな気がしたもんで、前回のログを書いてここに出すことにしたわけだけどさ。

ええ? 前に本当に利口な道を教えたよな。買って人には黙っていれば、後で「どうだ」と言えるんだ、と。だからそのようにしていれば、これから「どうだ! DLマーケット版の『クラップ・ゲーム・フェノミナン』だぞ。もう今からじゃ手に入れようとしてもできない!』と言えるようになったてえのに、哀れな〈大四畳半惑星人〉どもめ。人から盗んで自分のものにしようという考え方を変えられない。

〈大四畳半惑星人〉に明日なんかありゃしないって。『いつかいつか』と思いながら死ぬまでチャンスを逃すだけだよ。その点、古代と市橋達也は、欲しいと思えばためらうことなく他人を殴り、殺して盗む。やれば捕まってムショ行きだぞと言われても、


「その心配はない」


これだ。『2202』の最終回、真田が「国民の皆さん、市橋達也に社会に帰ってきてほしいと思いませんか? 彼に牢から出てきてほしいと思いませんか?」と叫んでるようにしか見えないだろう。おれは古代と市橋達也に世に出てほしくありません。このふたりが街をうろついていたんじゃあ、心配で夜もオチオチ寝られないじゃないですか。

『ヤマト』の続編、やるんだってね。出渕の負の遺産も凄かったけど、福井晴敏の負の負の遺産はもっと凄いとこ行ってるじゃんか。あんなグチャグチャな話の後をどう続ける気でいるんだろう。


『その心配はない』


いや、心配はしてないけど。『2202』だって最初からなんの期待もしてなかったから失望もしてないけれど、おれの『敵中』の外宇宙航海編。果たして書き上げられるのか。書けるとして、いつ終わるのか……。


『5秒で』


だから、それはねえつってんだろうが。この投稿再開で、この日誌を初めて知って読み始めた人もいるでしょう。今までこれを読んできたのは、全部がこんなやつらです。そしてあなたもそのひとりにどうせなるんでしょうけれども、どうぞよろしく。

あ、それから『敵中』は、小説サイト〈カキコ〉にも投稿することにしました。〈プロフィール〉のリンクからどうぞ覗いてみてください。



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之