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ヤマト航海日誌

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2019.3.05 狙うなら穴だ!



よう泥棒ども。前回のログはさすがにこたえたみたいだな。出した途端に読んだ君らがパニック起こしたようすが如実に伝わってきて、あれ以来、このサイトのトップページを見てるととてもおもしろいよ。

去年まではこのサイトのランキングなんて毎日毎日ほぼ同じで代わり映えがなかったんだが、最近はもう大荒れじゃん。1から10位がめまぐるしくグルリグルリと入れ替わるから、これはきっとカネを賭けたら鉄火場になるだろうなと、おれは毎日見て思ってる。本当にまるきりわけのわからんやつが一日だけ一位になったと思ったら翌日ズドンと落ちていくだろ。

おもしろいぞ。本当に。一応はおれが本命なんだけれども、しかしハンデが重いからどんな馬が刺しに来るかまるで予想の立てようがない。勝つとしても写真判定だったりしてさ。かろうじておれが一着の場合でも二着がなんになるかはわからず、『クイズダービー』のようにはらたいらにだけ賭けてりゃいいと言うわけにいかない。

だからこれって賭場を開けば儲かるんじゃないかしらん。どしたの。君ら。なんでそんなに前にも増しておれを必死にここのトップから引きずり下ろそうとし始めたわけ。前回のおれのパンチがよっぽど効いたとしか思えないんだけれどもしかし、それってつまり、まさかもう、『敵中』を君が書いたものとしてどこかに出した後だったわけ?

やったのか。いるのか。やっぱり、そんなやつが何人も。ひょっとすると何十人もいるのか。うーん、あはははは。なら悪魔のスイッチの話を読んで震え上がるのも無理はないよな。

でもいいじゃん。あんなのはね、ちょっと君らをからかっただけだよ。おれという人間が、君に対してそんなひどいことをすると思うかね。しないよ。大丈夫、大丈夫だ。この日誌をずっと読んでりゃおれがどんな人間かよくわかるはずじゃないか。ねえ。おれが間違っても、君を地獄へ送ろうとか、職を失くさせ首を吊るしかないようにしてやろうとか、すると思うか。しません。おれは、そんな悪い人間ではありません。

おれが今までここに書いてきたことは全部嘘です。君の盗用はバレないから、安心して続けてください。ついでに教えてあげるけど、〈ステルス兄貴〉のやつにこないだコメントしたんだ。そしたらあいつ、おれに対して、

   *

まぁ、気にしていないので大丈夫ですよ。

今後もよろしくお願いします。

   *

なんて返事を寄越しやがった。間違っても君は決して、君にコメントする人にこんな言葉を返さぬようにね。一発で盗用を疑われるぞ。

それさえしなきゃ大丈夫だ。ただしかし、疑問なんだが、君の盗用うまくいってる? 読者はちゃんと増えてるの?

そこが疑問だ。君がコピペをどこに出しても、十人が読めばその十人が、百人が読めば百人が君から盗もうとするだけじゃないのか。それだと広まらないんじゃないのか。

〈ハーメルン〉でのおれのデータを見直すに、やっぱり読んだ人間は大半がほぼ初日から盗む考えを持ったとわかる。〈ステルス兄貴〉の『星の海へ』を人が読むのはそれが読んでも誰も盗もうなどと考えぬものであるからだ。ネット投稿小説で人に読まれて書籍化され、さらにドラマ化・アニメ化などとなるのは全部がそうだ。紙の本になったものを読んでもマトモな感覚の者は『なんでこんなクズが』と言うだけ。出渕裕の『ヤマト2199』みたいに。

それが普通の同人作というものだよね。しかしおれが書くものは違うのだから無理だろう。広まらないよ。結局は、本当の作者はおれとすぐに知れてこのサイトに人が集まってくるだけだよ。その全員がコソコソとこれを盗み読むだけだ。

とりあえずまだ今のところは。で、どうだろう。もうひとつ思うのだけどこの〈ノベリスト〉ってサイトを運営してる人らって、ここでいま起きてることをどう考えてるんだろうか。

やっぱり、賭けとかしてんのかなあ。
「この『ヤマト航海日誌』は本命だけど昼までで、午後は伸びないんだ。で、代わりにこの〈作家〉が出してるやつのどれかが伸びる」
「うん。だけど昨日だって、こんなやつが獲っちゃったろ。結局『ヤマト』が抜かれても後から追いついてくるわけだし」
「それなんだ。鼻の差で勝っちゃったりするところが忌々しい。だから狙うなら穴だよ、穴。対抗馬はどれも期待できないんだから。張るなら本命か穴馬か、そのどっちか狙いしかない」
なんてことを言いながらさ。

この日誌の中身は読んでるんだろうか。一応は急に順位を上げてきてトップに立つとグイグイと〈今週〉のランキングでは2位以下を引き離した作であるわけだ。このサイトを開設した初めの頃はきっとここから人気が出るものがあったら書籍化し、さらにドラマ化・映画化……なんて考えていたはずだと思うんだが。

今はどうなんだろ。読むのかねえ、トップになってるものはともかく。『「ヤマト航海日誌」だってえ? なんだかわけのわからんものがトップになったが、なんだこりゃあ』と思いながら。サイトの管理人であるならしょうがなく一応さ。

で、途中で『え?』となってるとこだったりして。さらに『敵中』も読んでみて、『えええええええ――――――っ!!!!!!!!!」と今頃なってるとこだったりして。

どうだろう。そんなことはないだろうかね。君はどう思う? しかし『敵中』は、盗用を企む者にはいいかもしれんが紙の本にできない。内容がいい悪いの問題ではない。

けれどもその『コート・イン・ジ・アクト』ってやつだ。それってどんなもんなんだろとこの〈ノベリスト〉ってサイトを運営してる者らが考えてるってことはないかな。〈DLマーケット〉の復旧は一体いつになるんだとか。

うまくしてウチで書籍化できないかな。〈DL〉の復旧がならずじまいになるならばここに出してくれんかな。島田ってやつ、〈執筆中〉ということにして、途中まででもその小説をここに出してくれないだろうか。

ねえどうだろう。そんなことを、このサイトの人間が考えてるってことはないかな。今は当然黙ってようすを窺ってるが、ほんとに盗用してるのがいないか裏で探してたりして。

だからほんとにやってやろうか。今なら『コート・イン・ジ・アクト』をここに出してもいい気がするな。君やここの読者でなく、このサイトを運営してる人間に読ませるためにここに出すんだ。君が『敵中』を盗んでいるなら、見つけ出して素性を暴き世に晒してくれるかもしれないぞ。

なあどうだろう。そんなことをおれはいま考えてんだけど、どう思う?



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之