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奴隷将軍

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カージャール朝軍は方円型の陣をひき迎え撃とうとしてきたが、その時にはすでに私は敵陣の奥まできりこんでいた。
「侵略者の頭目!将としての面目あらば、名乗りでよ!」
私の挑発に敵兵を割って一人の巨漢が姿をあらわした。ラドゥだ。
「貴様はあの奴隷将軍ではないか!虫の分際で人語を話すもおこがましいわ!」
そう叫ぶとラドゥは巨大な戦斧を振りかざし私に襲い掛かってきた。
唸りをあげて私の頭上におちかかる戦斧を私は長剣で弾き返した。鋭い刃なりが連鎖し鼓膜が悲鳴を上げる。
ラドゥの膂力は思いのほかすさまじく、受け流す私の身体が悲鳴を上げはじめた。
「クラン様!」
サームが一騎打ちに割って入ろうとするのを私が目で止めたその時、ラドゥが吠えた。
「死ねぃ!」
ラドゥが戦斧を大きく振りかぶった瞬間私は左腕を大きく打ち振り奥の手を出した。
「な!」
戦斧をつかんだ手に一瞬でがんじがらめに巻き付いた鎖で、ラドゥの動きがとまったのを見逃さず私は左腕の鎖を思いきり手前にひいた。
「うお!」
ラドゥが不意をつかれ大きく体勢を崩した次の瞬間、彼の首は私の長剣によって宙高く跳ね飛ばされた。
「やりましたな!」
サームの賞賛を聞きながら私は大きく息をついた。
奴隷が使う鉄鎖術…
忌まわしい過去の遺物が私をまた救った
作品名:奴隷将軍 作家名:せつな