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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 身動きの取れるようになったエイリアン・ハンター達はオレ達に向かって臨戦態勢を取った。
 相手の数は多いが動けりゃこっちのモンだ。オレを殺そうとした事はどうでも良いし、あいつ等を襲った事だって知った事じゃねぇ、だが舞を人質にした事だけは絶対許せなかった。
 ぶち殺すとは言わねぇが、歯と骨の2〜3本…… いや、せめて半殺しに死ねぇと気が済まなかった。
 オレがそんな事を考えてると千鶴ちゃんがオレを止めた。
「待ってタクミ君…… さっきも言ったけど、私は話し合いに来たのよ」
「話し合い?」
「そう、セイヴァー・エージェントの上層部がどうしてもってね」
 千鶴ちゃんは肩を落とした。
 すると計画をぶち壊された事で備渡が忌々しそうに言った。
「フン、何が話し合いだ。我々にスパイを送り込む下衆な宇宙人の言葉などに聞く耳など持たん!」
「テメェ、まだ言うか!」
「だから落ち付きなさいって」
「そうよ、兄さんは黙ってて!」
「だけどな……」
「タクミ君だって無関係な話じゃないのよ」
「……どう言う意味だよ?」
 オレは眉間に皺を寄せながら舞を見た。
 舞は既に聞いたんだろう、顔を強張らせながら頷いた。
 一方、備渡に悪口言われて頭に来てるんだろう、千鶴ちゃんは一息つくと一度目を閉じると口をへの字に曲げた。
「下等な宇宙人? 随分な言い草だけど、でも貴方に言う資格は無いんじゃなくて? 元超能力研究者の浦木隆紋さん?」
「っ!!」
 備渡は身をビク突かせた。
 オレや舞、エイリアン・ハンター達も備渡を見た。
 超能力研究者? 元? 一体何の事だ?
 オレが千鶴ちゃんを見ると千鶴ちゃんは説明した。
「この国でも超能力者を作り出そうと言う研究機関があったの、彼はそこの主任研究者だったのだけど、大した成果をあげられずに国からの援助が打ち切られて機関は解体…… しかも躍起になった彼は幼かった自分の娘に人体実験をして殺してしまったのよ」
「ええっ?」
「とんでもねぇ事をする奴だな」
 オレは備渡を見て舌打ちをした。
 備渡は顔を顰めると頬から冷や汗を流した。
 どうやら本当らしいな、焦りの色がみられる。
 エイリアン・ハンター達も互いの顔を見合わせて戸惑っていた。
 すると備渡は仲間達に言い放った。
「惑わされるな、こいつらは自分の都合の良い様に嘘を言ってるだけだ。それにお前達の人生はこいつら宇宙人の責で狂わされた事を忘れたのか?」
 苦し紛れの言葉が放たれる。
 するとエイリアン・ハンター達は目を見開くと目を吊り上げてオレ達に言って来た。
「そうだ。リーダーがそんな事をする訳無いんだ!」
「大方お前等がやってた事じゃないのか? 宇宙人はよく人間攫って人体実験してるじゃねぇか!」
「そんな最低な嘘で騙そうったってそうはいかねぇぞ!」
 エイリアン・ハンター達は言いたい放題だった。
 確かにこいつらには異星人に対する恨みがある、それに頑なに『異星人が悪』と信じてる以上説得は不可能に近かった。
 備渡はしてやったりと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべていた。
 エイリアン・ハンター達の野次の嵐が吹き荒れる中、オレの隣で舞が立ちあがるとエイリアン・ハンター達に向かって叫んだ。
「いい加減にしなさいよ!」
 舞の一喝は連中を黙らせた。
「黙って聞いてれば偉そうに、何様のつもりよ!」
 舞は泣いていた。
 そんな舞にエイリアン・ハンター達は口を紡いで何も言えなくなった。
 やはり千鶴ちゃんの言葉が効いてるみたいだった。
 だが葛西は言って来た。
「白金さん、やっぱり分かってくれなかったのね…… 貴女なら私達の気持を分かってくれると思ってたのに」
「知った事じゃないわよ、大体貴女達こそ騙されてる事が分からないの?」
「騙されてる?」
「そうよ、皆が被害にあった異星人の犯罪は…… 全部そいつが仕組んだ事だったのよ!」
 舞は備渡を指を差した。
「兄さん、3年前の宇宙コロニー爆破も、全部あいつが関わってたのよ」
「何だって、本当か?」
「正確に言うとあいつもグルだったって所かしら? 調べるのに少し時間がかかったけどね」
 千鶴ちゃんも言って来た。
 今度はエイリアン・ハンター達に言って来た。